過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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305:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 21:29:16.27 ID:RYx/9kaJo
「由比ヶ浜がなんとかしてくれるだろ」
「えぇっ!?い、いくらぐらいかかるのかな……」
由比ヶ浜はうーんと唸りながら首を捻る。
306:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 21:30:24.89 ID:RYx/9kaJo
「クリスマスとはあんまり関係がないですねー。あとすぐに終わっちゃいそうな気がします」
「それならクイズ大会!」
「……ご長寿早押しクイズでもやる気か?」
307:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 21:31:32.88 ID:RYx/9kaJo
雪ノ下は弱い溜め息をつきながら呟いた。彼女が既に考えていたような案しか出てこなかったようだ。
「まぁ海浜高校の連中がなんか考えんじゃねぇの。これって向こうから言い出したことなんだろ?」
「そうね。向こうの考えや方針を聞いてからでないと、こちらだけで考えてもしょうがないわね」
308:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 21:32:46.36 ID:RYx/9kaJo
「合同、なぁ……。引き受ける引き受けないの選択すらなかったからなぁ」
「面倒なのはわかるけれど……やることだけは決まっているのだから仕方ないわ。向こうと話をしてうまい落としどころを探りましょう」
雪ノ下はここで沈んでいても仕方ない、やるべきことをやるだけだと言わんばかりに姿勢を正して俺たちに告げる。仕事であれば仕方がない。俺もやれるだけのことはやろう。
309:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 21:37:42.16 ID:RYx/9kaJo
「ん?どうかしたか?」
「……いえ。そういう気遣いはできるのに、なんであなたは普段ああなのかしらと……」
「普段ああで悪かったな」
310:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 21:39:12.92 ID:RYx/9kaJo
コミュニティセンターに入ると静謐というか閑寂というか、公共施設特有の落ち着いた空気が漂っていた。とりあえず、あまり騒がしくできるような雰囲気ではない。
きょろきょろと辺りを見回しながら階段を上る雪ノ下についていく。
311:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 21:40:36.10 ID:RYx/9kaJo
でもさすが雪ノ下と言っておこう。俺は全然気にしてなかったし。
講習室と書かれたプレートのある部屋の前で立ち止まると、ざわ……ざわ……とした声が中から少しだけ漏れ聞こえてくる。
「失礼します」
312:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 21:42:38.14 ID:RYx/9kaJo
「やあ!僕は海浜高校で生徒会長をやってる玉縄。あと生徒会のみんなと、ヘルプの人が何人か来てるんだ」
実にハキハキとした挨拶で、これだけで俺とは合わなそうだなと感じた。たぶんこいつはやりたくて生徒会長をやっているのだろう。
人をまとめるのが好きなタイプに見えた。集団の中に一人いればありがたい存在ではあるが、たまにどこに導いているのかわからないような奴の場合もある。
313:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 21:43:56.14 ID:RYx/9kaJo
続けて一色が余所行き用の笑顔を作ったとのころで、雪ノ下が俺を紹介しようか迷っていた。
「いいよ俺は、その他1名だ」
「庶務の比企谷君。あと今は所用で来ていないけれど副会長が遅れて来るわ。それでこちらは全員よ」
314:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 21:45:28.98 ID:RYx/9kaJo
由比ヶ浜はいつもと変わらないように見えたが、背伸びをして俺の耳元に顔を近づけてきたので、俺も首を傾けて顔を寄せてみる。
「この人、外国帰りなのかな……。帰国子女ってやつ?」
ボソッとした声とともに、柔らかい吐息とシトラス系の香りが俺に届く。なんで女子っていい匂いがするんだろうね?
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