過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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35:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:33:57.48 ID:KG8R2sxio
「由比ヶ浜さん?」

由比ヶ浜がぽしょっと呟いた。雪ノ下ははっきり聞こえなかったようだが、俺にはわかった。昨日の会話でも似たようなことがあったから。

「ううん。なんでもない。ゆきのん、あたし選挙勝たないといけないから、助けてよ!」
以下略



36:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:34:48.81 ID:KG8R2sxio
これ以上ここにいて、また妙な雰囲気になっても困るのでしばらく時間を空けようという思いがあった。

扉まで歩いたところで雪ノ下の声が背後から聞こえた。

「そうね。私は平塚先生に奉仕部の活動の場が生徒会に移っても構わないか話してくるわ。おそらくそれに関して問題はないと思うのだけれど……」
以下略



37:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:35:47.34 ID:KG8R2sxio
「……うん、わかったー」

由比ヶ浜の返事に少しだけ間があったことが気になったが、今はここから早く離れたかった。なんか恥ずかしいんですよ!

「じゃあまた後でな」
以下略



38:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:37:47.24 ID:KG8R2sxio
ただの学校の一室ではあるが、三人でいろいろな時間を過ごし、記憶を共有してきた場所だ。

俺の中では間違いなく、高校生活で一番思い入れのある場所だろう。

他の場所には思い出がないわけではない。たぶん。……いや、あるよね?
以下略



39:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:38:57.57 ID:KG8R2sxio
落ち着かない気持ちで一年の教室を見て回る。放課後なので人はまばらなのが救いだ。

そもそもあいつクラスどこなんだよ、聞いときゃよかった。

たまに一年生から向けられる訝しげな視線にそわそわしていると、何個目かの教室で男子二人を相手に談笑する一色の姿を見つけることができた。
以下略



40:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:39:55.70 ID:KG8R2sxio
「葉山せ…………なんだ、先輩ですか」

俺を見つけるなり表情も声もがらっと変わる。ほんとこいつは……。

「悪かったな俺で。露骨に声のトーン変えやがって……。話があるからちょっと時間くれ」
以下略



41:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:41:15.40 ID:KG8R2sxio
「なんですかそれ……。そんなこと言われたの初めてです……」

意外にも一色はしょげてしまった。それが作った可愛さであることはこいつ自身もわかってるだろうに。

…………でも、言い過ぎたかな。そんなしょげられると……困るじゃないか。俺にそんな趣味はねぇし、まだあざといほうが気が楽だ。
以下略



42:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:42:15.39 ID:KG8R2sxio
よせよそんな照れた顔すんなよ。言った俺がもっと恥ずかしいだろ。

無理矢理話をぶったぎって本題に入ることにした。

「……で、話なんだが。お前の依頼は解決できそうだ。生徒会長にならなくて済むぞ」
以下略



43:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:43:34.22 ID:KG8R2sxio
修学旅行の一件からおかしくなった部活の雰囲気を変えられる、その結論に辿り着けたのはこの依頼があったからと言えなくもない。

依頼自体がなければ別の選択は当然あっただろう。

だが変えるために何をするにしても、別のきっかけが必要になったに違いない。
以下略



44:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:44:58.72 ID:KG8R2sxio
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ、先輩」

詳しい話をするつもりもないので適当に話を切って去ろうと振り向くと、ブレザーの袖口を掴まれた。

その際に一色の手が俺の手にも触れあ、女の子特有の冷たくて柔らかい感触が伝わる。
以下略



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