過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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361:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 22:56:09.74 ID:RYx/9kaJo
「あれ、先輩行かないんですか?」
「おお、空気悪くすんのもアレだし、金もねぇし。任せる」
「そいえばそうでしたね……。じゃあまたでーす」
362:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 22:57:35.79 ID:RYx/9kaJo
今日あった出来事を思い返しながら歩くと、夜の乾いた風が体の芯まで染みる。
冷たい空気の侵入を防ごうと自転車の前でマフラーを巻き直していると、後ろから自転車のベルの音と声が聞こえた。
「比企谷、帰るとこ?ご飯いかないの?」
363:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 22:59:16.55 ID:RYx/9kaJo
「そっか。そういや比企谷って昔からそういうとこにいなかったもんね」
「合わねぇからな。折本は行かねぇの?」
「あたしは生徒会役員じゃないからねー。ねぇ、途中まで一緒に帰んない?」
364:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 23:00:34.80 ID:RYx/9kaJo
俺は相変わらず気の利いたようなことは言えずにいたが、一人で話してはけらけらと笑っていたのであまり気にならなかった。
いろいろと話すうちに、なんとなくうちの生徒会についての話になった。
「葉山くんもいたんだねー、ビックリしちゃったよ」
365:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 23:02:23.41 ID:RYx/9kaJo
「なにそれ、ウケる。比企谷なにやったのよ?」
「別になんも……。ずっと一人でいただけだ」
「あっはは、それじゃん。先生も見かねたんだよ」
366:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 23:03:18.47 ID:RYx/9kaJo
「……そんなのいねぇけどな。葉山も別に友達じゃねぇし」
「そうなの?じゃあ葉山くんと比企谷ってなんなの?」
たぶん折本が何も意識せずに言っているこの質問で海老名さんが思い浮かぶあたり、俺もかなり毒されているようだ。嘆かわしい。
367:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 23:04:50.33 ID:RYx/9kaJo
折本は暗い夜道の中で光を放つ自動販売機の前で止まり、自転車に乗ったまま飲み物を買っていた。
いや、そんな姿勢でしゃがみこんで商品を取り出すのはちょっと……。
誰に見られているわけでもないのに気恥ずかしくなり、慌てて反対側に目を向ける。そこには寂れた小さな児童公園があった。
368:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 23:05:43.74 ID:RYx/9kaJo
もう飲み物を買って貰っている手前、強引に帰るとも言い出せず不承不承頷くと、二人とも自転車のまま公園に入ってベンチの前で止めた。少しの距離を空けて、並んでベンチに座る。
……帰りたい。なんでこんな寒い中折本と二人でベンチに座ってるんだ。
折本とか女子ってのはこんな中でも生足出してるし、寒さに強い生き物なのか?でも冷え性とかよく聞くし、わけがわからないよ。
369:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 23:06:25.94 ID:RYx/9kaJo
「だ、誰のことだよ」
「生徒会の子たちも当然そうだし、前葉山くん紹介してくれた先輩の人とか。全員だよ、ほんと」
あー、陽乃さんか……。内面は知らんが外面は確かにキレイだな、うん。生徒会も雪ノ下に由比ヶ浜に一色に葉山か……。
370:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 23:07:18.22 ID:RYx/9kaJo
「あー、いや。ちょっと気になることがあってさ、聞きたかったんだけど」
そこで話を区切って折本は紅茶を啜った。俺は誰もいない公園を見るともなく見ながら続きを待つ。
「比企谷、どの子と付き合ってんの?」
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