過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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388:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:22:42.93 ID:3QzLARDco
「そうなんですけどね、もう書くことがないというか、あらかたはしょっても問題ないというかー……」

いろはは疲れきった顔で横に座る比企谷にちらと目線を送った。それを受けて作業中の比企谷が顔を上げ口を開く。

「……まぁそういうこった。進展なしだ。あ、いや変更があったな。喜べ、関係者の追加だ。次から小学生が参加だと」
以下略



389:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:23:21.51 ID:3QzLARDco
中身が不透明なままこれ以上関係者を増やすという、リスキーで意味のない行為を彼女が黙って看過するはずがない。

その雪ノ下さんはというと、今は結衣の持ってきた資料を確認しながら何やらか話をしている。二人とも深刻そうで声を掛けにくい雰囲気だ。

とりあえず今日の会議の内容を知っておこうと議事録を眺めると、発言者の欄に珍しい名前があり目を引いた。しかもこの発言内容……なんだこれ?
以下略



390:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:23:59.63 ID:3QzLARDco
「なんだよ」

「これ、比企谷が話したのか?」

議事録にはフラッシュアイディアとかマニフェストとかイニシアティブとか、わかるようでわからない玉縄との異次元の会話が記載されている。
以下略



391:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:24:43.27 ID:3QzLARDco
「あぁはい、それはもう……。先輩頭おかしくなったのかと思っちゃいました。雪ノ下先輩も超笑ってましたよ」

「え、そうなの?あいつあの後ちょっと席はずしてたけど、まさか……」

「……耐えられなくなったんじゃないですか?わたしはドン引きでしたけど、雪ノ下先輩はプリントで顔隠して肩プルプルさせてましたよ」
以下略



392:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:25:32.12 ID:3QzLARDco
「そーなんだよー。向こうから出てるアイディアをやるとしたらどのぐらいになるか整理してたんだけどね、どう足掻いても全部なんて無理ムリ」

結衣は肩をがっくりと落として首を横に振った。そりゃまぁそうだろうな。

向こうはどうやったらアイディアを実現できるか話し合いたいらしいが、そんなの予算と人員を増やすか期限を延ばすかしかない。
以下略



393:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:26:23.30 ID:3QzLARDco
雰囲気で察することはできるし既にみんなから聞いたからわかっているが、敢えて聞いてみた。彼女の口から聞いておきたいと思った。

「みんなから聞いての通りよ。好転はしていないわ。なんとかしようとはしているのだけれども……」

責任を感じているのか若干顔を伏せてはいるが、唇は引き結ばれており悔しそうな表情だった。これならまだ大丈夫か。
以下略



394:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:27:36.43 ID:3QzLARDco
「ええ。あ、あと……」

比企谷の方へ歩きかけた足を止めて振り返る。

「明日から小学生が参加になるのだけれど、その……あなたに相手をお願いできないかしら。私よりは適任だと思うの。私は……そういうの、苦手だから」
以下略



395:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:28:42.65 ID:3QzLARDco
始めて会長と呼んだ。特別な思いを込めているわけではなかった。

最近の、ここのところの彼女は今、俺の知る雪ノ下さんとは少し違う。

俺の知るかつての雪乃ちゃんに近い。だから、なんとなく区別したくなった。
以下略



396:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:29:36.31 ID:3QzLARDco
このままだとたくさんあるアイディアの大半が、予算がないから無理ですという結論になってしまう。

だからといって、いくらあたしが頭を使ってもどうにかできるような問題でもないから、そのまま伝えるしかないんだけど。

そんな作業をちまちまと進めてはいるものの、会計としてやるべき仕事は正直さほど多くはない。
以下略



397:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:30:44.16 ID:3QzLARDco
自分が情けなくなってくる。みんなが一生懸命解いているテストを、自分だけがさっぱりわからなくてぼけーっとしてるみたいな感覚だ。

実際はわけわかんなくても、なんとかしようと最後まで一応足掻くんだけどね。ただ足掻いてなんとかなったことはほとんどない。あれ、ダメじゃんあたし。

「ちょっと席はずすね」
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