過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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390:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:23:59.63 ID:3QzLARDco
「なんだよ」
「これ、比企谷が話したのか?」
議事録にはフラッシュアイディアとかマニフェストとかイニシアティブとか、わかるようでわからない玉縄との異次元の会話が記載されている。
391:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:24:43.27 ID:3QzLARDco
「あぁはい、それはもう……。先輩頭おかしくなったのかと思っちゃいました。雪ノ下先輩も超笑ってましたよ」
「え、そうなの?あいつあの後ちょっと席はずしてたけど、まさか……」
「……耐えられなくなったんじゃないですか?わたしはドン引きでしたけど、雪ノ下先輩はプリントで顔隠して肩プルプルさせてましたよ」
392:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:25:32.12 ID:3QzLARDco
「そーなんだよー。向こうから出てるアイディアをやるとしたらどのぐらいになるか整理してたんだけどね、どう足掻いても全部なんて無理ムリ」
結衣は肩をがっくりと落として首を横に振った。そりゃまぁそうだろうな。
向こうはどうやったらアイディアを実現できるか話し合いたいらしいが、そんなの予算と人員を増やすか期限を延ばすかしかない。
393:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:26:23.30 ID:3QzLARDco
雰囲気で察することはできるし既にみんなから聞いたからわかっているが、敢えて聞いてみた。彼女の口から聞いておきたいと思った。
「みんなから聞いての通りよ。好転はしていないわ。なんとかしようとはしているのだけれども……」
責任を感じているのか若干顔を伏せてはいるが、唇は引き結ばれており悔しそうな表情だった。これならまだ大丈夫か。
394:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:27:36.43 ID:3QzLARDco
「ええ。あ、あと……」
比企谷の方へ歩きかけた足を止めて振り返る。
「明日から小学生が参加になるのだけれど、その……あなたに相手をお願いできないかしら。私よりは適任だと思うの。私は……そういうの、苦手だから」
395:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:28:42.65 ID:3QzLARDco
始めて会長と呼んだ。特別な思いを込めているわけではなかった。
最近の、ここのところの彼女は今、俺の知る雪ノ下さんとは少し違う。
俺の知るかつての雪乃ちゃんに近い。だから、なんとなく区別したくなった。
396:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:29:36.31 ID:3QzLARDco
このままだとたくさんあるアイディアの大半が、予算がないから無理ですという結論になってしまう。
だからといって、いくらあたしが頭を使ってもどうにかできるような問題でもないから、そのまま伝えるしかないんだけど。
そんな作業をちまちまと進めてはいるものの、会計としてやるべき仕事は正直さほど多くはない。
397:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:30:44.16 ID:3QzLARDco
自分が情けなくなってくる。みんなが一生懸命解いているテストを、自分だけがさっぱりわからなくてぼけーっとしてるみたいな感覚だ。
実際はわけわかんなくても、なんとかしようと最後まで一応足掻くんだけどね。ただ足掻いてなんとかなったことはほとんどない。あれ、ダメじゃんあたし。
「ちょっと席はずすね」
398:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:31:27.46 ID:3QzLARDco
冷気はスカートの中にも入り込み、わずかな時間で身震いが起こったのですぐにロビーに戻った。
頭どころか全身が冷えてしまった。手を擦り合わせながら自動販売機へ向かうところで、ヒッキーが階段から降りてきた。
「おす。外行ってたのか?」
399:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:32:06.81 ID:3QzLARDco
聞きたいこと、どうにかしたいことがたくさんあって、どれもがあたしを悩ませる。どれも一人で鬱々としてるだけなんだけど。
「他にもなんかあんの?」
「……ううん。なんでもない」
400:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:32:54.31 ID:3QzLARDco
「あ、あたしみんなの飲み物買ってこうと思ってたの。頑張ってるみんなにそのぐらいしかできないから」
「いいよそんな気の使い方しなくても。欲しけりゃ自分で買うだろ。飲み物ないわけじゃねぇんだしよ」
「んー……まぁそれもそっか」
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