過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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393:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:26:23.30 ID:3QzLARDco
雰囲気で察することはできるし既にみんなから聞いたからわかっているが、敢えて聞いてみた。彼女の口から聞いておきたいと思った。

「みんなから聞いての通りよ。好転はしていないわ。なんとかしようとはしているのだけれども……」

責任を感じているのか若干顔を伏せてはいるが、唇は引き結ばれており悔しそうな表情だった。これならまだ大丈夫か。
以下略



394:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:27:36.43 ID:3QzLARDco
「ええ。あ、あと……」

比企谷の方へ歩きかけた足を止めて振り返る。

「明日から小学生が参加になるのだけれど、その……あなたに相手をお願いできないかしら。私よりは適任だと思うの。私は……そういうの、苦手だから」
以下略



395:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:28:42.65 ID:3QzLARDco
始めて会長と呼んだ。特別な思いを込めているわけではなかった。

最近の、ここのところの彼女は今、俺の知る雪ノ下さんとは少し違う。

俺の知るかつての雪乃ちゃんに近い。だから、なんとなく区別したくなった。
以下略



396:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:29:36.31 ID:3QzLARDco
このままだとたくさんあるアイディアの大半が、予算がないから無理ですという結論になってしまう。

だからといって、いくらあたしが頭を使ってもどうにかできるような問題でもないから、そのまま伝えるしかないんだけど。

そんな作業をちまちまと進めてはいるものの、会計としてやるべき仕事は正直さほど多くはない。
以下略



397:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:30:44.16 ID:3QzLARDco
自分が情けなくなってくる。みんなが一生懸命解いているテストを、自分だけがさっぱりわからなくてぼけーっとしてるみたいな感覚だ。

実際はわけわかんなくても、なんとかしようと最後まで一応足掻くんだけどね。ただ足掻いてなんとかなったことはほとんどない。あれ、ダメじゃんあたし。

「ちょっと席はずすね」
以下略



398:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:31:27.46 ID:3QzLARDco
冷気はスカートの中にも入り込み、わずかな時間で身震いが起こったのですぐにロビーに戻った。

頭どころか全身が冷えてしまった。手を擦り合わせながら自動販売機へ向かうところで、ヒッキーが階段から降りてきた。

「おす。外行ってたのか?」
以下略



399:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:32:06.81 ID:3QzLARDco
聞きたいこと、どうにかしたいことがたくさんあって、どれもがあたしを悩ませる。どれも一人で鬱々としてるだけなんだけど。

「他にもなんかあんの?」

「……ううん。なんでもない」
以下略



400:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:32:54.31 ID:3QzLARDco
「あ、あたしみんなの飲み物買ってこうと思ってたの。頑張ってるみんなにそのぐらいしかできないから」

「いいよそんな気の使い方しなくても。欲しけりゃ自分で買うだろ。飲み物ないわけじゃねぇんだしよ」

「んー……まぁそれもそっか」
以下略



401:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:33:57.42 ID:3QzLARDco
缶を持ってこれをどこで飲もうか迷っていると、やがてヒッキーと目が合ったので、えへへと意味のない愛想笑いを向ける。

「…………そこ、座るか」

すると、ヒッキーは顎でロビー隅にあるソファーベンチを指した。一緒に居てもいいみたいだ。
以下略



402:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:34:33.91 ID:3QzLARDco
「あはは、だねー」

うう。やっぱり近かった。調子に乗りすぎた。恥ずかしい……。

誤魔化すために紅茶を飲もうとしたものの、爪を切ったばかりでうまくプルタブに引っ掛からず、かつんかつんと乾いた音が数度響く。
以下略



403:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:35:16.65 ID:3QzLARDco
さっきまでの不安と葛藤を一時的に忘れて、コーヒーを飲むヒッキーの横顔を眺める。

今ヒッキーは何を考えてるんだろう。そんなことを考えていると、ヒッキーは目を前に向けたまま口を開いた。

「あのな、ちょっと相談ってか、その……少し気になってんだけどな」
以下略



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