過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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410:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:39:50.64 ID:3QzLARDco
「う、うん」
よかった。お前には関係ないって言われることも覚悟して聞いたから、話してくれるというだけで十分だ。
「この前カフェで会っただろ?あの後ちょっと気まずい別れ方になってな。それでその精算というか、会議で顔合わせることになるからお互い気にしないようにって話してたんだよ」
411:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:40:17.29 ID:3QzLARDco
「ごめん、答えにくいこと聞いちゃって」
「いいよ。俺はあんま関係ねぇし。じゃあ……」
戻ろうとするヒッキーを、もう一度だけ引き留める。
412:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:40:52.97 ID:3QzLARDco
ごちゃごちゃといろんなことが頭を巡って、整理しようとしたけど無理そうで、簡潔に言えないと思ったので曖昧に答えることにした。
「なんとなく、かな。言いたくなければ……」
やっぱり怖い。無理に答えてもらわなくてもいいと思って、そう言おうとしたけどあたしの言葉はヒッキーに遮られた。
413:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:41:30.66 ID:3QzLARDco
口にするだけで胸に締め付けられるような痛みがあった。
あたしはヒッキーの過去の想いにすら嫉妬している。その想いも全部あたしに、あたしだけに向けて欲しいと思ってる。
ああ、あたしは本当に、こんなにもヒッキーが大好きなんだ。
414:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:42:07.62 ID:3QzLARDco
「本物って、なに?」
「なんつーか、一方的に押し付けて、勘違いして……。そんな利己的なもんは恋愛感情とは違うだろ。馬鹿だったんだよ、俺が」
あたしが今思ってた、全部をあたしだけに向けてほしいっていうのは、利己的で一方的な押し付け……だよね。
415:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:42:33.01 ID:3QzLARDco
「俺は正直もう関わりたくねぇんだけど、あいつがああいう性格だから巻き込まれてるって感じだな……」
それからまた二人とも無言になり、自動販売機の稼働音だけが辺りに響いている。
そんなに長い時間じゃないけど席を離れて暫く経つ。そろそろ戻らないと。
416:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:43:12.36 ID:3QzLARDco
「…………違うか。違うな、うん。前までなら答えてるわけねぇな」
そもそもあたしが聞きもしなかっただろうけど、きっと聞いてもダメだったと思う。
答えてくれたとしても、自虐的にネタ話みたいに話してたんじゃないかな。
417:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:44:58.65 ID:3QzLARDco
「おお。そうなんだよ」
何がそうなのかよくわからないけど、たぶん、そうだ。
さっきからずっと鼓動が早い。ヒッキーの言葉にドキドキしてるのもあるけど、これはそれだけじゃない。
418:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/05(水) 01:46:19.93 ID:3QzLARDco
ここまで
どんどん延びる
1000までには終わるはず……
419:名無しNIPPER[sage]
2015/08/05(水) 02:14:16.29 ID:GAyAr/fMo
乙です
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