過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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586:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 07:55:55.13 ID:HjDYW7MJo
葉山の望んだこと。それは、修学旅行で俺に婉曲な依頼をしたことを指している。戸部の海老名さんへの告白を止めたいというものだ。
そして、俺のやっていることというのは、奉仕部メンバーで生徒会に入ったことだ。そうした理由は、俺が一緒に居たかったから。繋がりを切りたくなかったから。
この二つの本質は同じだ。つまり、どちらも今の関係を変えたくないということ。だが少し違うこともある。いや、これから先が違う、同じにするつもりはないというのが正しいか。
587:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 07:56:37.70 ID:HjDYW7MJo
それで壊れる関係なら、もともとその程度のもんなんじゃねぇの。これは俺の言葉だ。ならせめて、自分の言ったことには責任を取らないとな。
俺だって楽しい時間がずっと続くなら、何も変えたくないと思う。けれどずっと続くなんてことは絶対にないし、過去にやった同じ間違いを繰り返すわけにはいかない。
「……さぁな。次はお前が答えろよ」
588:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 07:57:41.52 ID:HjDYW7MJo
「ああ、あれは建前用の答えだよ。そんなことを言われたのも確かだし」
「建前用、ね……」
随分開けっ広げに話すな。聞いといてなんだけど、いいのかよそんなことまで言って。
589:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 07:58:53.52 ID:HjDYW7MJo
質問を言い切る前に答えが返ってきた。俺もそんな風には思っていないが、三浦が一番気にしていたのはこの部分だ。はっきりさせてくれるのは助かる。
だが、最後の発言が気になった。
「それって……」
590:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 07:59:50.59 ID:HjDYW7MJo
優美子も大変だなぁ……。
直接的にじゃないけど生徒会での隼人くんのことを探るように尋ねられて、まごまごしてたら結構長くなっちゃった。
591:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:00:47.59 ID:HjDYW7MJo
あたしはわがままで贅沢で、……優柔不断で。友達はみんな大切で、みんな好き。でも今はちゃんと、一番大事なものは決まってる、かな。
だから、人のこと心配してる余裕なんてないんだけどね、ほんとは。
生徒会室まで早足で向かい、扉の前まで来たところで中から隼人くんの声が聞こえてきて、開けようとした手の動きが止まった。
592:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:01:31.63 ID:HjDYW7MJo
「…………あいつが、何から逃げてるんだよ」
「それは……。いや、俺も人のことを言えないか」
ど、どうしよう。なんか真剣な話っぽい。うわー、半端に聞こえちゃったから入りにくいな……。
593:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:02:13.97 ID:HjDYW7MJo
「会って一年にもなってないのに、感心するような独占欲だな」
「…………どういう意味だ」
「君こそ雪ノ下さんのなんなんだ。彼女のことを考えるのに君の許可がいるのか?」
594:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:03:06.17 ID:HjDYW7MJo
頭の中はぐちゃぐちゃで、痛いほどに心臓が煩くて、体の力が抜けそうだったけどなんとか堪える。部屋の中は不穏どころじゃなくて喧嘩になりそうな感じだ。このままじゃいけない。
「ゆ、結衣先輩っ、これ、まずくないですかっ?」
いろはちゃんにも今の会話は聞こえたみたいで、囁き声だったけど焦りが伝わってきた。
595:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:03:57.60 ID:HjDYW7MJo
「ぉおおち、落ち着いてくださいよ、葉山先輩。せせ、先輩も」
「……お前が落ち着け」
「いろはが落ち着いたらどうだ」
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