過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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597:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:05:54.49 ID:HjDYW7MJo
……何をやっているんだ、俺は。由比ヶ浜のこんな顔を見たくなくて、やりたいようにやってきたのに。
「…………すまん、由比ヶ浜」
「謝るのはあたしにじゃないよ……」
598:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:06:45.42 ID:HjDYW7MJo
「いや、仲直りも何も、俺とこいつは別に……」
もともと仲良しってわけじゃないし、仲違いするほどのことでもない。さっきはちょっと、こいつの言い方が気にさわって必要以上に頭に血が昇ってしまっただけで、ニュートラルになら放っておいてもすぐに戻る。
「比企谷」
599:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:07:24.12 ID:HjDYW7MJo
それに、気に入らない奴だが、昨日話した通りならこのイベントにおいて見ている方向は同じのはずだ。だったら今こいつが言った通り、先生の言っていた通り、うまくやることもできるに違いない。
まあ、それよりもなによりも、俺は由比ヶ浜や一色を悲しませたくない。葉山もそう俺にそう伝えようとしているのだと思った。
「……ま、これまで通りってことなら」
600:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:08:06.13 ID:HjDYW7MJo
「いいから、ヒッキー。はい」
由比ヶ浜は俺の袖を掴んでポケットから引っ張り出すと、力の入っていない俺の手を支えるようにして葉山へ向ける。葉山は葉山で気乗りしないのか、困ったような顔を由比ヶ浜へ向けたままだ。
「あーもう、葉山先輩も、はいっ」
601:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:08:45.03 ID:HjDYW7MJo
「……善処するよ。な、比企谷」
「はいはい……。頑張りますよ、葉山さん」
取り繕った笑顔を作る葉山に皮肉を返してやった。よくもまぁそんなすぐに何事もなかったような顔ができるもんだ。
602:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:09:21.12 ID:HjDYW7MJo
それを合図に皆もいつもの席につき、ようやくこれまでと同じような空気が戻った。
今日の本題、やるべきことはここからだ。
雪ノ下にも生徒会長としてやってもらわなければならないことがある。言いにくいことも言ってもらう必要があるだろう。
603:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:10:07.89 ID:HjDYW7MJo
あんなに熱くなったりする人とは思ってなかった。いつも無気力で、なんでも適当に流す人かと思ってた。だから意外で、怖くて……まだドキドキしている気がする。
葉山先輩も、誰かと喧嘩するような人だなんて考えたこともなかった。先輩とはほんとに仲良くないのかな……?んー、男子同士って、よくわかんないなー。それとも先輩と葉山先輩が特殊なのかな。
由比ヶ浜先輩のおかげか、案外すんなりといつもの感じに戻ったのは戻ったけど、それにしても。
604:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:10:48.46 ID:HjDYW7MJo
結衣先輩としたらそりゃ複雑ですよね……。葉山先輩とも友達なのに、好きな先輩(隠す気ないですよね?)とあんな風になっちゃったら。
そりゃあわたしも仲良くしてほしいですけど。二人とも同じ生徒会のメンバーだし。
……二人ともちょっと、気になるし。
605:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:11:35.70 ID:HjDYW7MJo
総武高校側の生徒会として、これからどうするのかを決めるということだ。
「現状と問題についてはみんなもわかってると思う。だからまず、俺たちはこれからどうするのか、それを確認させてくれ。雪ノ下さん、このままでいいのか?」
「……いいわけ、ないわ。生徒会として最初の仕事だし、ちゃんとしたものにしたい。みんなはどう?」
606:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:12:15.57 ID:HjDYW7MJo
「あたしも……やれるならちゃんとやりたいかな」
「カンパは絶対したくねぇ」
先輩……なんですかその理由。確かにわたしも嫌ですけど、私的すぎやしませんかね……。
607:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:12:53.01 ID:HjDYW7MJo
「すまないが、言いにくいことも言ってもらわないといけないかもしれない」
「……ええ。やれるだけ、やってみるわ」
先輩の言いたいことを雪ノ下先輩も葉山先輩もわかっていた。ちゃんと否定する。それは今までのような結論を出さないまま曖昧にするのをやめて、これからは反対も反論もして決めることを決めようということだ。
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