過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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606:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:12:15.57 ID:HjDYW7MJo
「あたしも……やれるならちゃんとやりたいかな」
「カンパは絶対したくねぇ」
先輩……なんですかその理由。確かにわたしも嫌ですけど、私的すぎやしませんかね……。
607:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:12:53.01 ID:HjDYW7MJo
「すまないが、言いにくいことも言ってもらわないといけないかもしれない」
「……ええ。やれるだけ、やってみるわ」
先輩の言いたいことを雪ノ下先輩も葉山先輩もわかっていた。ちゃんと否定する。それは今までのような結論を出さないまま曖昧にするのをやめて、これからは反対も反論もして決めることを決めようということだ。
608:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:13:26.80 ID:HjDYW7MJo
「そもそもブレインストーミングで一番難しいのが、意見の取捨選択をするファシリテーター……まとめ役なのよ。ブレインストーミングは全部の案をつぶさに検討するということではないわ」
難しい言葉が出てきた。ほへー、勉強になるなぁ。今後ブレストする機会はある……のかな。それはわからないけど。
「彼と私の事前準備が足りていないと思った時点で違う方法を提案すべきだったのよ。今さら何を言っても言い訳にしかならないけれど……」
609:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:14:18.91 ID:HjDYW7MJo
「……そうだね。彼らがあのスタンスを変えないというなら、そうなるだろうね」
「い、いいのかな。向こうは反対するんじゃないの?」
「するだろうな。コンセンサスは取れてたとかって。でもあいつらの失敗に巻き込まれるのは御免だ。今さらあん中から選んで、全員でやったところでしょぼいことにしかならん」
610:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:14:51.85 ID:HjDYW7MJo
「……ないんだなー、これが」
「……えー。ダメじゃん」
結衣先輩から力のないツッコミが入った。わたしもおもわずそう言いたくなったけど、よく考えたらわたしも別にやりたいことなんかなかった。
611:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:15:35.67 ID:HjDYW7MJo
「そこら辺は見せ方次第だな。金かけりゃいいものができるわけじゃねぇんだし」
「うーん……。お金をかけないでやると……。手作り感が素敵、素朴で庶民的、いいね!みたいな方向?」
「作り手側がそれを全面に押し出していると、完成度の低さを我慢しろって主張に見えるのは私だけかしら……」
612:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:16:09.43 ID:HjDYW7MJo
「いいよ、お前から言え」
「ではお先に。小学生と保育園の子に何かやってもらうのはどうだ?」
「……なるほど。それなら多少拙くても誰も気にならないわね。お年寄りに受けもよさそうだし」
613:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:16:49.48 ID:HjDYW7MJo
結衣先輩が感心したような声をあげた。わたしと結衣先輩の置いてかれてる感がだんだん凄くなってきた気がする。
あと先輩と葉山先輩ってやっぱり気が合うんじゃないですかね……。仲いいのか悪いのかまたわかんなくなってきたんですけど。
「つってもまだ考えなきゃならんことは山ほどあるけどな。多少手抜きしないと準備時間足らねぇし」
614:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:17:51.21 ID:HjDYW7MJo
「あー、そう……」
むー、なんですかそのやる気ない返事は。先輩さては納得してませんね?これは指導の必要がありますかね……。
そんなことを考えていると、雪ノ下先輩が軽い咳払いをしてから話をまとめ始めた。
615:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/31(月) 08:18:41.71 ID:HjDYW7MJo
こうして方向性が決まると、雪ノ下先輩は速かった。
考えておかないといけない項目をすぐに多数リストアップし、わたしと結衣先輩も含めた全員に迅速な指示を出す。
いきなり言われて慌てていたのはわたしだけで、結衣先輩も雪ノ下先輩の指示を受けてテキパキと予算関係の作業を始めた。
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