過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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673:名無しNIPPER[sage]
2015/09/15(火) 17:12:39.27 ID:90wkfSlwo
同じ作者の別のSSから来ました こっちも面白い 見る感じこういうシリアスな方が得意なんかな?
674:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/15(火) 17:31:18.28 ID:HqZhT3hVo
得意というか台本ってのをよく知らなくて最初にやったのがこっちってだけですかね
ここまで長くなると話は頭にあるのにうまいこと文が思い付かなくて疲れるので台本も書きたくなるというか
思いの外いろはの台本のやつが好評だったからってのもあります
今日か明日には続きいけそう感あるのでお待ちを
675:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 00:36:11.57 ID:+XNzEMtGo
明日は土曜日!でも朝から作業。何年後かにはこんなことが日常茶飯事になっているのではないかと、自らの将来を悲観してしまいそうになる。
そんな嫌な予感が拭いきれず、あいつらと別れてからもしょんぼりと自転車に跨がっていると、同じく帰りの折本と顔を合わせてしまった。ここで会うのは二度目だ。
676:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 00:37:18.12 ID:+XNzEMtGo
自転車で並走しながら折本に向かって呟く。
「あ、そんなつもりないから大丈夫。あのさー、前も思ったけど比企谷ってさ、やっぱなんか変わったよね。あんなこと言うなんて思ってなかったから驚いちゃった」
あんなこととは会議中での発言を指しているのだろう。あんなことまで言うつもりはなかったのだが……昔の俺なら言わなかったのだろうか。少なくとも同じようには思ったんじゃないかという気はする。
677:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 00:38:39.32 ID:+XNzEMtGo
「変わったよ。今比企谷に付き合ってくれって言われたらちょっと考えちゃうかも」
「いや、言わねぇから」
昔は……そっとしておいて。お前はもう忘れてくれよ。俺は忘れないと思うから。俺が覚えておくから。
678:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 00:39:34.99 ID:+XNzEMtGo
「葉山か。どう違うんだ?」
「噂だといつでも笑顔の爽やか王子って聞いてたんだけど、今日とか見てるとなんか違うなーと。あ、別に悪いってわけじゃないよ?むしろちょっと……」
「ちょっと、なんだよ」
679:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 00:40:21.49 ID:+XNzEMtGo
俺じゃなくて残念だと言われた瞬間、少しだけ胸が高鳴った。これは折本云々じゃなくて、あれだ。俺は可愛い女子からの好意的な言葉というもの全てに弱い。慣れてなさすぎ。
決して気が多いとか惚れやすいとか、そんなことはない。…………はずだ。
「俺が知るわけねぇだろ。葉山に聞け」
680:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 00:42:10.40 ID:+XNzEMtGo
「うん、バイバイ比企谷」
気まぐれに点いた街灯に照らされた折本の別れの顔は、打算や裏など微塵も感じさせない、屈託のない笑顔だった。
振り返ってペダルを漕ごうとすると、後ろから呼び止められる。
681:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 00:42:54.92 ID:+XNzEMtGo
「へぇー、スゴい自信だね。ま、頑張って」
「おお。自信はねぇけどな……まぁ、さんきゅ」
謙遜ではなく、実際に自信はこれっぽっちもない。自分の思いは決まっているが、相手がどう思うか、思っているかなんて俺にはまだわからないから。
682:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 00:44:13.55 ID:+XNzEMtGo
あんなの本物とは呼ばない。振られてからはずっとそう思い己の過ちと恥じていたが、さっきの折本の笑顔を見てそれは間違っていたのかもしれないと思い始めた。
裏など感じさせない、誰に対しても同じように接する折本のその姿に、笑顔に、俺は確かに惹かれていたのではないか。
それを恋愛感情だったと断ずることはできないが、過去の届かなかった思いをすべて偽物だったと否定するのは、ただの逃避に過ぎないのかもしれない。
683:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 00:45:56.17 ID:+XNzEMtGo
考えてもがき苦しみ、足掻いて悩め。───そうでなくては、本物じゃない。
そうか。足掻いて悩んで、そうして辿り着いたものは、それはきっと俺にとっての───。
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