過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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689:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 01:01:11.46 ID:+XNzEMtGo
留美にはまだ負けられないな。俺には長年ぼっちを名乗っていた者なりの矜持がある。もう名乗るのはやめるつもりだが。

「……自慢することじゃないと思うけど」

「ああ、その通りだ。自慢できることじゃない。けど別にその経験が無駄だったわけでもない。まぁたまには一緒にやってもいいだろ」
以下略



690:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 01:03:00.44 ID:+XNzEMtGo
そのまま無言で脇目も振らず作業に没頭する。よし、いいぞ。調子が出てきた。コミュニティセンター最速の座と雑用エースの座は譲らない。いやそんなもんいらない。

俺が渡された分の材料は留美よりだいぶ少なかったので、先に工作作業を終えて一息つく。

「…………全然、一緒にやってなくない?」
以下略



691:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 01:03:57.94 ID:+XNzEMtGo
「……そんなん俺も苦手だからできねぇよ。けど並んで同じ方向に向かって進んでんだから、十分一緒にやってるだろ。前も俺そうだったろ?」

この前も無言で黙々と雪の結晶を作ったが、もしかして一緒にやっているとは思ってなかったのか。

「……そっか。そういう一緒もあるんだ……」
以下略



692:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 01:05:07.37 ID:+XNzEMtGo
「んー、決定までの権限はねぇけど。主役決まんねぇみたいだから提案してみようかと思ってな、お前可愛いし。どうだ?嫌か?」

「え、かわ、え?あ…………」

留美はかぁっとわかりやすすぎるほどに顔を赤らめると、もごもごと口ごもって黙り込んでしまった。
以下略



693:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 01:06:24.40 ID:+XNzEMtGo
おい、なんで俺は八幡って呼び捨てで葉山はくん付けなんだ。若干、いやかなり腑に落ちないが…………親しみの現れということにしておいてやろう。

助かったな留美、寛容な俺じゃなければ教育的指導をされていたかもしれないぞ。

「よかった。じゃあ一度演出兼脚本家のとこに行こうか」
以下略



694:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 01:07:38.62 ID:+XNzEMtGo
一色の声がいつもより少し下がった。これはあれだな、たぶんイラッときてるサイン。

「まぁちょっとした知り合いだよ。いろはは気にしなくてもいい」

「おい留美、あんまみんなの前で呼び捨てにすんなよ、恥ずいだろ……」
以下略



695:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 01:08:53.62 ID:+XNzEMtGo
……そりゃそうだよな、こいつがされてたらおかしな話だ。

「…………八幡、この人おかしいの?」

無言になる俺と葉山をよそに、留美は一色に冷ややかな目を送る。うわぁ、留美お前それ……別に間違いじゃないな。
以下略



696:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 01:09:55.61 ID:+XNzEMtGo
「留美ちゃんね。んーと……これ。台詞はそんなに多くないけど、ちょっと覚えてもらうこともあるから。頑張ろうね!」

「……うん。あ、はい」

続けて一色は留美を連れて衣装の採寸に向かった。よし、これで役者の問題も解決だな。あとは細々としたところを詰めていければ形になりそうだ。
以下略



697:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 01:11:06.64 ID:+XNzEMtGo
その彼女のために、俺はちゃんと力になれただろうか。

今度の俺は彼女を失望させずに済んだのだろうか。

彼女たちを裏切らずに済んだのだろうか。
以下略



698:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 01:12:37.06 ID:+XNzEMtGo
それにあたって役に立たない俺と葉山は雑労働を、由比ヶ浜は……まぁ邪魔しないように袋詰めとかやってるな、うん。

この部屋の主の如くいろいろな人間に指示を出しているのは雪ノ下だ。そしてその右腕となるのが一色。

指示を出す相手はその他、今この部屋には本来ならここにいない人間が多数やってきている。
以下略



699:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/16(水) 01:14:42.00 ID:+XNzEMtGo
「いろはすひどくね……?隼人くぅーん」

「戸部ぇ……隼人は忙しいんだから邪魔しないでくれる?」

…………いつにも増して騒がしい。葉山が呼んだ連中だが、役に立っているのはケーキ作りに加勢している海老名さんだけな気がする。
以下略



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