過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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69:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/02(木) 23:07:35.50 ID:JoAhaLH1o
わたしだって被害者なんだけど、わたしに向けられた悪意を他人に押し付けて安穏としていられるなら、今度はわたしが加害者のようなものだ。

だからといって生徒会長など絶対にやりたくないわたしは、雪ノ下先輩にお礼を言いに行くこともなく中途半端な思いのまま数日を過ごした。

ちゃんとお礼に行かないとな。でも雪ノ下先輩や結衣先輩に嫌な顔されたらやだな。
以下略



70:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/02(木) 23:08:15.82 ID:JoAhaLH1o
そう思って見に行ったものの、予想外の場所に予想外の、よく知っている大切な名前を見つけて衝撃を受けることになった。

生徒会長候補者:一色いろは、雪ノ下雪乃

これは問題ない。先輩から聞いていた通りだから。問題はその下だ。
以下略



71:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/02(木) 23:09:13.20 ID:JoAhaLH1o
葉山先輩は表面上のことは話してくれるが、本質的なことは、特に自分のことは話したがらない。

ちょっとだけ勇気を出して込み入ったことを聞いたときも、曖昧で答えになってるんだか、なってないんだかわからない言葉に終始する。これまでずっとそうだった。

そんなミステリアスなところも魅力だと思う。けど、正直言ってつまらなくもある。
以下略



72:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/02(木) 23:10:03.00 ID:JoAhaLH1o
…………雪ノ下先輩ですか。そうですか、そうなんですか。

生徒会長の幼馴染みを補佐するイケメン副会長。なんですかそれ。それはちょっと……そんな憧れるシチュエーションは……間に入りたくなりますよね。

いや、邪魔しようとかは思ってないですよ?部活でも生徒会でも一緒とか、いい感じじゃないですか?
以下略



73:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/02(木) 23:11:02.51 ID:JoAhaLH1o
それと、あの……その、胸?そんなのどうでもいいですけど?それがいいと噂している男子を何人も見たことがある。いや、どうでもいいんですけど?

書記は……あれ、誰もいないんだ。書記だけ七日以内の延期期間の後、再選挙かー。へー。

先輩の名前はどこにもなかった。何に立候補しても落ちるという言葉が正しいなら、それはそうか。だから庶務。庶務って何するんですかね……雑用?
以下略



74:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/02(木) 23:11:58.25 ID:JoAhaLH1o


全員が生徒会室に入り席につくと、待っていた城廻先輩が楽しそうに口を開いた。

「ようこそー、生徒会へー。じゃあちょっと、自己紹介を兼ねて軽く挨拶しとこうか。雪ノ下さんから」
以下略



75:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/02(木) 23:12:50.23 ID:JoAhaLH1o
雪ノ下先輩は無事?わたしを圧倒的大差で(票数は知らないけど雰囲気的に)下して、生徒会長に就任が決まった。

この挨拶と、演説の姿を見ればわたしが負けるのも当然で、致し方ないと思える。これならわたしのブランドも損なわれることはないだろう。

雪ノ下先輩の応援は葉山先輩ではなかった。葉山先輩は副会長に立候補してたから当たり前なんだけど。
以下略



76:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/02(木) 23:13:44.15 ID:JoAhaLH1o
国際教養科って女子がほとんどだとは聞いてましたけど、みんなあんな感じの世界なんですかね……。

わたし、普通科でよかったー。あんな世界、わたしじゃ絶対村八分にされますよ……。普通科でも嫌がらせ受けるぐらいなのに。

あ、わたしの演説と応援は適当な人に頼んで適当に終わらせました、まる。
以下略



77:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/02(木) 23:14:31.71 ID:JoAhaLH1o
「いろいろと、あなたのお陰でもあるわ。ありがとう」

「いや、意味わかんないんですけど……」

「ふふっ、ごめんなさい。そうよね。でもいいのよ、わかる人にだけわかってもらえたら」
以下略



78:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/02(木) 23:15:17.52 ID:JoAhaLH1o
考え事をしていると雪ノ下新生徒会長の挨拶が終わるところだった。ただの顔合わせの挨拶なので、時間にすると一分も立っていない程度だろう。

城廻先輩が控えめな拍手をして、残りの人もそれに続いてまばらな拍手の音が部屋に響く。

「どうしよヒッキー……あんな挨拶できないよ……」
以下略



79:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/02(木) 23:16:34.01 ID:JoAhaLH1o
「じゃあ次、葉山くん」

「副会長になった葉山隼人です。まぁ挨拶と言っても、みんな知ってる奴なんで手短に……。知っての通り俺はサッカー部もあるから、出られなくて負担をかけることもあると思うけど、みんなよろしく」

わたしと城廻先輩、結衣先輩が小さく拍手をした。雪ノ下先輩は目を伏せたまま動かず、先輩は訝しげな視線を送っている。
以下略



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