過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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814:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:34:31.45 ID:aeWauGybo
「いや、俺もう今日は帰りたいんだけど。用事もあるし」

といっても、ちょっとしたものとチキンを買って帰って小町と食うだけなんだけど。だけ、とはいえ俺にとっては結構重大な行事である。

「えぇ!?先輩、クリスマスに用事あるんですか!?」
以下略



815:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:36:07.19 ID:aeWauGybo
「いや、別にないけど……」

「でも、私もさすがに疲れたわ。申し訳ないのだけれど、今日はゆっくり休ませてもらえないかしら……」

雪ノ下はこめかみに手を当てて長い息を吐いた。うたた寝するほど寝不足気味だったみたいだしなぁ。
以下略



816:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:37:09.98 ID:aeWauGybo
「隼人くんは?」

「俺は、ちょっと……。どうするかな……」

だが最後の葉山だけは口ごもって言葉を濁した。裏切り者……じゃないよな、こいつは。家族との用事とかじゃなければ、どうせいらんこと考えてるんだろ。
以下略



817:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:39:08.85 ID:aeWauGybo
「用があるんならいいけどよ。別にないならせっかくだし、……その、なんだ。生徒会の打ち上げって名目なら別に角も立たねぇだろ。クリスマスなのはたまたま、偶然だ」

きっと葉山はクリスマスに特定の誰かと過ごすのを躊躇っているのだと、勝手に決めつけてフォローしてみた。

こいつがそういうことやっているのは、噂とか教室内で聞こえてくる会話でなんとなく知っている。
以下略



818:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:40:22.72 ID:aeWauGybo
「んー、よく考えてなかったけど……あんまし街中じゃないほうがよかったりする?」

「我儘言うようだけど、できれば。あんまり知り合いと会いたくはない、かな」

「うーん、どうしようか?」
以下略



819:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:41:42.87 ID:aeWauGybo
「え、ゆきのんいいの?」

意外な提案に葉山と由比ヶ浜が同時に確認を取ろうとした。そう問いたいのは当然俺もなので、さぞや怪訝な顔をしていることだろう。

「……ええ、あなたたちなら構わないわよ。迷惑になるほど騒がしい人や場をわきまえない人はいないことだし。葉山君もそれならいいでしょう?」
以下略



820:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:43:04.31 ID:aeWauGybo
「……そうか。なら、お邪魔させてもらうかな」

「あのー、雪ノ下先輩のおうちってどんなんです?勝手なイメージなんですけど超広そうですよね」

「広いよー、超キレイな高層マンションだし!しかも一人暮らしだよ!」
以下略



821:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:45:21.03 ID:aeWauGybo
「そこで俺を見るな。わざわざ感じ悪いほうで言い直すな」

幾度も繰り返された軽妙な?やり取り。そこに違和感はない。

けど、不思議だ。こういう会話ができることが。先ほどあんなことを話したばかりなのに。
以下略



822:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:49:25.75 ID:aeWauGybo
何度もやっていそうな由比ヶ浜とか葉山ですらはっきり言えないってどういうことだよ。

行くことに決まってしまっているので今さら抗う気はないが、俺はちゃんと打ち上げの空気的なものに混ざれるのだろうか。最悪、黙ってなんか食いながら時間が過ぎ去るるのを待つことにしよう。

こんなことを普通に考えるあたり、ぼっちではなくともリア充になるのは絶対無理だな。別になれなくていいけど。
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823:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:50:31.72 ID:aeWauGybo
明日の細かい時間や予定があらかた決まると、ようやくお開きとなった。

あれの直後、舌の根も乾かぬうちの全員集合であり、生徒会の様子はどうなることやらと危惧していたが、最後まで不穏な空気や気まずい雰囲気にはならなかった。

雪ノ下も由比ヶ浜もあんなことを話して涙まで流した後なのだから、すぐに完璧に切り替えることはできないと思う。それは俺だって同じだ。なら、程度の差はあれど無理をして普段通りに振る舞っているに違いない。
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