過去ログ - 神通「ランダウンプレー」
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432: ◆jSMhOnCsDM[saga]
2015/09/08(火) 23:38:27.97 ID:fb6BAXWP0


『キャッチャーからショート、ショートからピッチャーへとボールが渡ります』

『ランナー必死に逃げていますが距離が詰まってくる、これは時間の問題でしょう』




 不知火は普通。一番信頼している艦娘であり、一番付き合いも長い。そう簡単に崩れるものではないはずだ。

 でももしかすると、この思い込みこそ幻想や理想。こういうものは決まって、予想を外れていることが多い。



『そして今ピッチャーからサードへとボールが送られてタッチアウト』

『結局この回、またとないチャンスを作りましたがスクイズ失敗でダブルプレーに終わりました』

『これは首脳陣も痛いことでしょう。スクイズの失敗は流れを変えてしまいます』




 監督というものは、選手を信頼はしても信用してはいけないと聞いたことがある。選手は失敗するものと思って送り出せ、ということだ。常に最悪のケースを想定していれば、それ以上のことは起きやしない。

 最悪のケース、か…………

 もし仮に、不知火も向こう側だとすれば、それは俺にとって紛れもなく最悪のケースだ。その場合はどうするべきか……、




『チャンスでのランナーも、挟まれてしまえば哀れなものですね』

『まさに袋の鼠といいますか、もはや相手のミスを待つくらいしか為す術などありません。それまでは必死に逃げ回るのみ』




 思わずふっと息が漏れた。

 袋の鼠。

 まさしくその通り、どこにも逃げ場はないだろう。逃げ場はないのに、それでも逃げなくてはいけない。全員が敵だ。ミスを待っても、こういうときに限ってミスが起こらない。

 無意識に何もない天井を見上げてみた。




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