1: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/06/29(月) 23:52:13.10 ID:3mslNw6q0
遥か昔。
とても懐かしい、記憶の奥底。
まだ、二人きりの頃。
夜中。
食堂で。
加賀『……ぁ』
提督『……おう』
提督の手には出来たばかりのグラタン。
提督『……すまん、夜食を作ってたんだ……
起こしたか?』
加賀『い、いえ……』
提督『そうか……
しかし、なんでもこんな時間に……』
加賀『そ……れは……』
加賀は落ち着かない様子で、チラチラとグラタンに視線を送っている。
提督『……そうか。腹が減ったんだな』
加賀『ぇ……ぁ……』
提督『艦娘の食事は単調で少ないもんな。
腹も減るだろ。ほら、食え』
加賀『……いけません。か、艦娘と人間が同じ物を食べるのはーー』
提督は加賀の目の前に、無言でスプーンとグラタンを置いてやる。
提督『お腹、空いてんだろ』
加賀『っ……』
しばらく葛藤していたが。
加賀はついに我慢出来なくなって、パクパクと食べ始めた。
加賀『……美味しい……美味しいっ……』
その様子を、微笑みながら見つめる提督。
提督『美味しそうに食べるなぁ……
それくらい、いつでも作ってやるよ』
加賀『ほ、本当ですか』
食べてる途中、嬉しそうに顔を上げる。
提督『あーあー……そんな勢い良く顔をあげたら飛び散るぞ……
しかし……ふふっ。
そんな顔も出来るんじゃないか』
加賀『……?』
提督『お前はいつも無表情だから心配してたんだぜ。
……可愛らしい、笑顔だ』
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