716: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:48:02.58 ID:O1rXuCk8O
赤城は艤装に火を入れながら、ペロリと左薬指を舐めた。
それを頭上に突き出す。
風向きのチェックだ。
赤城『……風向きは……南南東……』
717: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:48:37.18 ID:O1rXuCk8O
自分はさっきから。
疲労によって意識は朦朧としており。
腕を水平にする、という事を考えてはいなかった。
にも関わらず。
718: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:49:13.48 ID:O1rXuCk8O
なんども繰り返した作業を、始める。
エナーシャスターターを回し、フライホイールを回転させれば。
ヒュイイン、と、高い音が聞こえてくる。
719: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:49:39.55 ID:O1rXuCk8O
スロットルオープン。
ブレーキを離して、スピードを上げていく。
不気味な程水平な甲板を走り、順調に速度を得て。
720: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:50:11.01 ID:O1rXuCk8O
腕は水平だった。
発艦シーケンスも悪く無い。
提督の指示が間違ってるという事もあるまい。
721: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:50:39.72 ID:O1rXuCk8O
赤城『……っっ……はいっ……』
震える声で返事をして、赤城は次の発艦シーケンスを開始する。
くたびれた体に鞭を打ち。
722: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:51:08.97 ID:O1rXuCk8O
ブレーキを離す。
ゆっくりと加速していくキャノピーからの景色。
視界を占める青がだんだんと増えていく。
そこで。
艦載機の尻が少し浮いた。
723: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:52:02.22 ID:O1rXuCk8O
赤城『上がれっえええ……!!』
操縦桿を全力で引き。
フラップを調節する。
724: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:52:29.27 ID:O1rXuCk8O
そして。
ふわふわと、しかし確実に。
ソレは操縦桿に従って。
725: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:52:56.86 ID:O1rXuCk8O
ツー……、と。
赤城の頬を一筋の光が、伝い。
ポロポロ、と。
涙滴が、その光を追っかけて。
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