過去ログ - 電ですが、鎮守府の空気が最悪なのです
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/07/19(日) 17:01:07.79 ID:sLS4dz7v0
伊勢「そう、その後小沢艦隊ってところに配属されて、捷一号作戦に参加したの」
伊勢「だけど艦載機の生産が遅れちゃっててさ。私と日向に回してもらえる艦載機がどうしてもなかったみたいなの」
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/07/19(日) 17:01:39.89 ID:sLS4dz7v0
とうとう、伊勢さんの声に嗚咽が交じるようになりました。
自分が泣いていることを再び忘れてしまったように、伊勢さんは涙を拭うことすらしません。
しゃくりあげて、息を詰まらせながら、それでも伊勢さんは必死になって話を続けようとします。
以下略
215
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/07/19(日) 17:02:10.14 ID:sLS4dz7v0
伊勢「そう、北号作戦の前に悲しいことがあって・・・・・・結局、飛行甲板が取り外されちゃったの」
伊勢「とうとう艦載機は訓練でしか運用できなかったわ。私も日向も、すごく、すごく残念で・・・・・・」
伊勢「それで、北号作戦で、一緒の任務に着いて・・・・・・それから、それからずっと、日向と一緒だったの」
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/07/19(日) 17:02:45.92 ID:sLS4dz7v0
伊勢「あの子は妹なのに、私より全然しっかりしてて、何でも上手くやれるの。私は1人だとダメ、何をやっても全然上手く行かないわ」
伊勢「だから、日向はずっと私と一緒にいてくれたのに・・・・・・ねえ、電ちゃん。日向はどこにいるの?」
もう、伊勢さんは笑っていません。目を真っ赤に腫らせて、ぼろぼろと溢れる涙は相変わらずです。
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217
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/07/19(日) 17:03:34.15 ID:sLS4dz7v0
電「日向さんは・・・・・・まだ未着任なのです」
伊勢「いつ着任するの? もうすぐ? すぐこっちに来るよね」
電「・・・・・・わからない、です。でも、きっとすぐ日向さんは・・・・・・」
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218
:
◆hJ5a7d.jWc
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2015/07/19(日) 17:04:00.76 ID:sLS4dz7v0
伊勢「いいこと思いついたわ。日向がここにいないなら、私から会いに行けばいいじゃない。ねえ、日向はどこ?」
電「あの、伊勢さん・・・・・・もう休みましょう。きっと伊勢さんは疲れているのです」
伊勢「嫌よ。私、日向と一緒じゃなきゃ眠れないの。ねえ、日向がどこにいるか教えてよ。私、会いに行くから」
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219
:
◆hJ5a7d.jWc
[saga]
2015/07/19(日) 17:04:26.13 ID:sLS4dz7v0
伊勢「それとも、待ってたほうがいいのかな? 日向なら、私を見つけてくれるかしら・・・・・・?」
電「そ、そうです。日向さんなら、きっと伊勢さんを見つけてくれるのです。日向さんならきっと・・・・・・」
伊勢「そう、そうだよね。早く来てくれないかなあ、日向。私・・・・・・私、寂しいよ」
以下略
220
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/07/19(日) 17:05:19.40 ID:sLS4dz7v0
とうとう伊勢さんは顔を両手に埋めて、泣きじゃくり始めてしまいました。
私はその肩に手を差し伸べようとして、少し考えてから、触れることをやめます。
伊勢さんが今、手を差し伸べてほしいと思っているのは私ではないのです。
以下略
221
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◆hJ5a7d.jWc
[saga]
2015/07/19(日) 17:05:46.58 ID:sLS4dz7v0
伊勢さんは私がいることなんて忘れてしまったみたいに、子供にように泣きました。
私にも、雷ちゃんという姉妹艦がいて、彼女もまた未着任です。確かに寂しいけれど、泣いてしまうほどではありません。
艦隊の皆さんにもよくしてもらっていますし、霞ちゃんも友達になってくれました。
以下略
222
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/07/19(日) 17:06:22.87 ID:sLS4dz7v0
電「伊勢さん・・・・・・大丈夫、大丈夫なのです。日向さんはきっとすぐ来ますから・・・・・・」
伊勢「うっ、うぅううっ・・・・・・日向、日向・・・・・・」
223
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/07/19(日) 17:07:07.87 ID:sLS4dz7v0
もう、私の声も届きません。
沖ノ島海域は突破できました。この海に平和が戻るのも、そう遠くない未来なのかもしれません。
けれど、私達の平和は・・・・・・伊勢さんの心に、平穏が訪れるのは一体いつになるのでしょうか。
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