過去ログ - 電ですが、鎮守府の空気が最悪なのです
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/09/13(日) 21:32:53.86 ID:Lv9/9Z470
さあっ、と顔から血の気が引いていくのがわかりました。慌てて音のするほうへ駆け出します。
電「なっ……じゅ、隼鷹さん!? 何をしているんですか!」
隼鷹「……あれ、電ちゃん。なんでこんなとこにいんの?」
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/09/13(日) 21:33:28.12 ID:Lv9/9Z470
電「あの……隼鷹さんが今叩いてるのは、赤城さんの部屋です」
隼鷹「知ってるに決まってるじゃん。あたしは赤城に用があるんだ」
電「そんなにノックしても出ないってことは、眠ってらっしゃると思うんですけど……」
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/09/13(日) 21:33:56.99 ID:Lv9/9Z470
何としてもやめてもらいたいのですが、どういうわけか隼鷹さんが私の話をまったく聞いてくれません。
私が途方に暮れているうちに、とうとうドアノブがゆっくりと回り、重たげに扉が内側から開かれました。
赤城「……何ですか、うるさいですね」
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/09/13(日) 21:34:36.33 ID:Lv9/9Z470
赤城「……はあ。手身近にお願いしますよ」
諦めた赤城さんが、あからさまに面倒くさそうに扉を開けます。寝起きで不機嫌な赤城さん。火にくべられた不発弾のそばにでもいる気分です。
赤城「で……何ですか、聞きたいことって」
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768
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/09/13(日) 21:35:25.36 ID:Lv9/9Z470
隼鷹「確かな話らしいよ。大破進撃すれば艤装の生命維持装置が機能しなくなって轟沈する危険が出てくるけど、夜戦突入にその心配はない、と」
赤城「そうは言っても、現に私たちはそれを経験しているんじゃないですか」
隼鷹「ああ、そうだね。だけど、少なくとも他の鎮守府で夜戦による轟沈が起きたケースは今まで1回もない」
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769
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/09/13(日) 21:35:53.48 ID:Lv9/9Z470
隼鷹「あたしは龍驤が轟沈する姿を見ていない。扶桑も、山城も、誰もその瞬間を見ちゃいないんだ」
赤城「それはまあ、夜戦ですから。敵と味方を区別することに精一杯ですものね」
隼鷹「そうだな。夜戦は見通しが悪くて、味方と逸れることもしょっちゅうだ」
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770
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/09/13(日) 21:36:29.70 ID:Lv9/9Z470
赤城「ああ……そうでしたね。確かに、龍驤さんの轟沈を確認したのは私でした。敵の雷撃を受けて、龍驤さんは海底に沈みました」
隼鷹「その後のことを覚えてるか? 敵を撃退した後、扶桑の照明弾の下に集ったとき、あんたは返り血に染まっていた」
赤城「ええ。敵を至近距離で撃破したので、そのときに浴びたものですね」
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771
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/09/13(日) 21:37:19.49 ID:Lv9/9Z470
隼鷹「そのときはあたしもすんなり信じたよ。なんせ、実際に龍驤は沈んでるんだからね」
隼鷹「それを知らなかった自分を責めたし、提督を憎んだこともある。だけどまあ、事故だと思って気にしないことにした。死ぬほど悲しかったけどね」
赤城「はあ、そうですか。何を言いたいんですか?」
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772
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/09/13(日) 21:37:54.30 ID:Lv9/9Z470
隼鷹「あたしもそう思ってた。でも、間宮アイスを取り合ってトーナメントをしたとき、アイスに異常な執着を見せるあんたを見て考えが変わった」
隼鷹「あんたは腹が減ればそれくらいのことはするし、それくらいのことはできる。そうだろ?」
赤城「……何を馬鹿なことを言っているんですか。いくら何でも、妖精さんや駆逐艦を食べたりするわけないでしょう」
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773
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/09/13(日) 21:39:43.05 ID:Lv9/9Z470
窒息しそうなほどの沈黙。誰も、言葉を発しようとしませんでした。
屹然と答えを待つ隼鷹さんと、表情を消して沈黙を保つ赤城さん。絶句する私。時間さえ息を止めているかのように感じました。
赤城「……くっくっく。面白いことを言いますね、隼鷹さん」
以下略
774
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◆hJ5a7d.jWc
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2015/09/13(日) 21:41:46.99 ID:Lv9/9Z470
赤城「私は鎮守府唯一の正規空母、しかも極めて希少な虹ホロの一航戦。その私が鎮守府からいなくなれば、どうなると思います?」
赤城「この鎮守府に私の穴を埋められる航空戦力はいない。あなたを初めとする脆弱な軽空母と、それにすら及ばない航空戦艦がいるだけ」
赤城「私が解体されれば、鎮守府は深刻な空戦能力の不足に陥る。その後の海域攻略では圧倒的に不利な立場に立たされるでしょう」
以下略
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