過去ログ - 電ですが、鎮守府の空気が最悪なのです
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813: ◆hJ5a7d.jWc[saga]
2015/09/13(日) 22:18:02.61 ID:Lv9/9Z470
そう言われて自分の唇に手を当てると、確かに引きつるように歪んでいます。事実、私はこの状況を喜んでいました。

だって、クーデターを起こすには絶好の機会です。

今や鎮守府は決壊寸前のダムそのもの。あちこちに亀裂が入り、どこから崩壊しても不思議ではありません。
以下略



814: ◆hJ5a7d.jWc[saga]
2015/09/13(日) 22:18:32.50 ID:Lv9/9Z470
霞「電、まさかあんたまでおかしくなっちゃったの? 嘘でしょ、あんたまであいつらの仲間入りしたら、私……」

電「大丈夫です、私は正気ですよ。それより霞ちゃん、ついてきてもらえませんか?」

霞「えっ……どこに?」
以下略



815: ◆hJ5a7d.jWc[saga]
2015/09/13(日) 22:19:14.74 ID:Lv9/9Z470

たどり着いたそこはまさしく屍累々。祈るのにも泣くのにも疲れた駆逐艦たちが、死んだように廊下のあちこちで倒れ伏しています。

私たちはそれらの合間を通り、扉に寄りかかって眠る不知火さんをそっとどかして、扉を静かにノックしました。

以下略



816: ◆hJ5a7d.jWc[saga]
2015/09/13(日) 22:20:00.14 ID:Lv9/9Z470
久しぶりに近くで見た子日さんは、一晩中泣き通したように目が赤くなっていました。私を見るなり、再び涙が目に溜まり出します。

子日「うっ……ぐず、ひっく……電ちゃん、それに霞ちゃん……」

霞「こんにちは……今まで大変だったわね、あんた」
以下略



817: ◆hJ5a7d.jWc[saga]
2015/09/13(日) 22:20:30.59 ID:Lv9/9Z470

子日「ほ……本当に? 私、もうみんなから変な扱いされなくなるの?」

電「はい。ただし、それには子日さんにも少しだけ協力していただくことになります。いいですか?」

以下略



818: ◆hJ5a7d.jWc[saga]
2015/09/13(日) 22:21:20.88 ID:Lv9/9Z470
電「あ、解体って言っても、提督がする解体ではないですよ。組織の繋がりをバラバラにして機能させなくするほうの解体です」

霞「そ、それはわかってるわよ! 教団を解体って……どうやってよ? 準備だっているだろうし……」

電「いいえ、準備はもうできています。今日限りでアカギドーラ教団には解散していただきます」
以下略



819: ◆hJ5a7d.jWc[saga]
2015/09/13(日) 22:22:06.18 ID:Lv9/9Z470
電「勘違いしないでほしいのです。私は何も、駆逐艦たちが崇めるような邪神が実在する、と言っているわけではありません」

電「しかし、その大元は確かに存在します。それは主力艦隊の正規空母、一航戦の赤城です」

電「彼女は異常なほどの強さと食欲を持っています。資源の貧困に喘ぐ鎮守府において、彼女は飢えを満たすために駆逐艦に手を掛けているのです」
以下略



820: ◆hJ5a7d.jWc[saga]
2015/09/13(日) 22:23:11.51 ID:Lv9/9Z470
電「赤城さんは食べるところを人に見られるようなヘマはそうそう犯しません。ですが、その影を見た子くらいはいるでしょう」

電「その人影や断片的な情報が伝言ゲームを経て、アカギドーラという恐怖の象徴として呼ばれることになったんだと思います」

電「意味もわからず食べられるという恐怖に駆られた駆逐艦たちは、それに理由付けをするために宗教化した。これがアカギドーラ教団の正体です」
以下略



821: ◆hJ5a7d.jWc[saga]
2015/09/13(日) 22:23:38.41 ID:Lv9/9Z470
電「子日さん、いいですか? 今から外に出て、駆逐艦の子たちに言ってほしいことがあります」

子日「う、うん。何を言えばいいの?」

電「天啓が下った、これからは電に従うべし、と。そう伝えて下さい」
以下略



822: ◆hJ5a7d.jWc[saga]
2015/09/13(日) 22:24:08.74 ID:Lv9/9Z470
子日さんはしきりにこちらを振り返りながら、恐る恐る部屋を出て行きました。

早くも外からざわめきが聞こえます。そのざわめきに負けないよう、子日さんが声を張り上げてるのを霞ちゃんと一緒に聞きました。

霞「電、本当に大丈夫なんでしょうね? 失敗したら取り返しがつかなくなるわよ?」
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