過去ログ - 工藤D「ここが、765プロライブ劇場か」
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◆YUW.90yQGFRP
[saga]
2015/07/06(月) 01:19:04.87 ID:pzrfoFk8O
ビデオを観終えた一同。
市川「工藤さん、アレは……」
工藤D「あの、下半身のないやつな。アレは多分『テケテケ』だな」
――テケテケ。それは、下半身が欠損した、女性の幽霊。一般に、北海道で踏切事故に遭った女性が、あまりの寒さに出血が止まったために即死できず、あまりにもの苦しみに怨霊と化した存在とする説が有名である。
死の間際、必死に通りがかる人々へ助けを求めたが、下半身のない異様な姿が不気味か、もう手遅れと思われたのか、見て見ぬふりをされたという。
それ故、テケテケは人間を憎み、襲うようになったそうである。
工藤D「ビデオ見る限りじゃ、取材したら、結構面白いことになるとは思うよ」
琴葉「……そうですか。それから、ビデオの最後の方、その、テケテケが、私の体をすり抜けたときの事なんですが」
工藤D「なんか、ヤバいことでもあったの?」
琴葉「私自身は無傷だったんですけど、恵美の…血を流して倒れている姿が見えたんです。」
工藤と市川の顔が、かすかに険しくなる。
琴葉「それに、出入口が屋上につながっていたのも考えると…。工藤さん、前にも似たような事件を取材したことがありましたよね?」
工藤D「…花子さんの時か」
琴葉「はい。以前、映画で怨霊の役を演らせていただいた事があって、研究として『コワすぎ!』も鑑賞したんです」
工藤ら『コワすぎ!』取材班はかつて、廃校に潜む『トイレの花子さん』と遭遇し、直後ビデオカメラ越しに自分が死ぬ未来を目撃してしまった少女と、それを撮影した友人を取材したことがあった。
その際廃校内に生じた時空の歪みによって、工藤たちは同じ地点を無限ループの如く、何度も回る事態に陥り、さらにはタイムスリップ、果ては異次元世界にまで突入するはめになったのだ。
ただ、カメラマン田代が捉えたそれらの映像は、一般世間からはインチキ扱いされ、正当な評価を与えられることはなかったが。
工藤D「ただ、あん時と違って、恵美っていう、君の友だちが死ぬとこは、ビデオには写ってないし、真壁さんも、もうこの世にはいねぇんだ」
――真壁。フルネームを、真壁栞。『トイレの花子さん』取材時、工藤たちに同行した霊能者だ。彼女の活躍により、少女は死の未来を回避し、取材陣全員が無事時空の歪みから逃れることが出来たが、その代償か、彼女は廃校を脱出直後に、不慮の事故で死亡した。
この事故によって、工藤たちはついに業務上過失致死の疑いを問われ、結局証拠不十分で不起訴とはなったものの、映像提供のコネが途絶え、次回制作の目処は立たなくなっていた。
琴葉「それでもいいんです。今まで色々な怪奇現象を調べてきた工藤さんたちの力があれば、何か、事態を打開できる鍵が見つかると思っていますから」
工藤D「とにかく、まずはあのテケテケが何なのか、そっから攻めてかなくっちゃ。人の死を教えてくれるテケテケってのは、初めて聞く話だしな。とりあえず、史料集めとか聞き取りとかやった後に、突入しようと思う」
琴葉「それでは……受けていただけるんですね!」
工藤D「ああ。それじゃあ皆さん、取材開始です」
琴葉「よろしくおねがいします!」
琴葉は工藤たちに感謝の礼をし、スタッフルームを後にした。
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