過去ログ - 京介「別れよう」 黒猫「え……」
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3:名無しNIPPER[saga]
2015/07/07(火) 22:47:52.86 ID:ABn+E12Xo


京介「親父、ちょっと車を借りて良いか?」

大介「何に使うつもりだ」

佳乃「お父さん、毎回同じことを聞かなくても分かってるでしょ? もちろん彼女さんを家まで送っていくために決まってるじゃない」

大介「それならば許可する。鍵はそこにあるから持っていけ。ただし、くれぐれも安全運転で行くんだ。あと初心者マークは忘れるな」

京介「分かってるって。んじゃ、借りてくよ」

大学の夏休みを利用して免許は既に取得済みだ。もっとも、まだ取り立ての初心者もいいとこなので運転はまだまだ怖いけどな。

それでも黒猫を家まで送るこの一時間程のドライブデートは、俺たちにとって、とても大事な二人きりの時間なんだ。

京介「お待たせ。それじゃ行こうぜ」

黒猫「ええ」



道中特に何事もなく、松戸市にある五更家に到着。

京介「ほい到着。お疲れさん」

黒猫「京介の方が疲れたでしょう。たまには家に上がっていったら? お茶くらい出すわ。それに妹もあなたと会いたいでしょうし」

京介「とても惹かれるお誘いだけど、今から帰っても晩飯に間に合うかどうかって時間だからな。またにするよ」

黒猫「その、晩御飯なら私が作るわよ? それでも駄目かしら?」

京介「あー、それは魅力的だな。だけど飯をご馳走になったら今度はおまえを食べたくなるから、またの機会にな」

黒猫「なっ。は、恥を知りなさい。こんな往来で何を口走っているのかしら、この発情した雄は」

京介「往来なのに別れの挨拶はいつもしてるけどな」

黒猫「……ん」

そっと口づけを交わす。家の前まで彼女を送り、そしてキスをする。それが俺にかけられた新たな呪いであり契約だった。

京介「……それじゃ帰るよ。また来週な」

黒猫「ええ、気を付けて帰ってね」

京介「大丈夫だって。またな!」

車を発進させる。バックミラーを確認するたび小さくなっていく彼女の姿が、いつまでもいつまでも俺を見送っていた。





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