過去ログ - 万里花を愛でるニセコイSS「アンミン」
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名無しNIPPER
2015/07/08(水) 00:30:27.07 ID:34pzihRt0
これまでにも小野寺小咲と同じ部屋に泊まることになったり、千棘と同じ布団に寝る羽目になったことならあった。
ただしその時はどちらも布団を離したり、座布団を持ってきて眠ったりと、朝まで一緒に眠ったわけではない。
だけど、今回は。同じ布団で寝るだけでなく、楽の右腕を万里花の枕に――つまり、朝まで腕枕をして眠らなくてはならないのだ。
布団の中で反対を向いて丸まる二人。
ほんの少し肩が触れただけで、お互いにビクリと身体が跳ねる。
「た、橘、安心しろよ、べ、別に俺はお前が寝ている間に変なことをしようなんて――!」
「い、いえ、私はその楽様になら何をされても構わないのですが……」
でも、まだ心の準備ができていませんので……、と消え入りそうな声で呟く。
思わぬ返答に楽の方が言葉に詰まる。何をされてもって……!
沸き起こる妙な想像を頭から振り払い、楽は万里花の方に向き直ると、その白くて細い首筋の下に右手を滑り込ませる。
「ひゃう!」
「す、すまん、橘。で、でもよ、こうしないと腕枕ができねえだろ」
ぐいと腕を押し込む楽。必然的に身体が密着してしまう。
寝る前に風呂に入ったせいで、万里花のうなじから立ち上るシャンプーのよい香りが鼻孔をくすぐる。
こんないい匂いのシャンプー、うちの風呂場にあっただろうか。
万里花を眠らせるのが目的だったのに、楽は自分の意識の方が先に飛んでしまうのではないかという危機感を覚えていた。
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