過去ログ - ほむら「告別」
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31:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 23:51:43.05 ID:dTPiuG0Wo

 適当に汗を流して、適当に朝昼兼用の軽食を取って。
 早々にやることをなくした私は、手持無沙汰のまま外を歩いていた。
 
 正午少し前の見滝原の街中は、さすがに人通りもまばら。
以下略



32:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 23:52:32.82 ID:dTPiuG0Wo

 適当に自動販売機で缶コーヒーを買って、それを空けつつ路地を練り歩く。
 一応、知らない道ではない。
 かつて何度も走りまわったうちの、その中のいくつかの道。
 変わってしまったのは、私と世界のほんの少しだけ。
以下略



33:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 23:53:13.45 ID:dTPiuG0Wo

 それは尋ね人の便りだった。
 古ぼけた電信柱の中ほどの高さ、ちょうど顔の高さが一致するくらいの所に。
 名前と顔写真と、それから連絡先と。

以下略



34:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 23:54:01.59 ID:dTPiuG0Wo

 
 ◆


以下略



35:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 23:54:46.65 ID:dTPiuG0Wo

 異変に気付いたのは、どれくらい経った頃だろう。
 最初の兆候は、臭いだった。

「……雨?」そう口走ったけれど、すぐに違うことに気付いた。
以下略



36:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 23:55:43.00 ID:dTPiuG0Wo

「何、これ」

 そう、何の変化もなかった。
 全く同じ家と、全く同じ電柱と、全く同じ街路樹とが、延々と道の両脇に伸びている。
以下略



37:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 23:57:48.02 ID:dTPiuG0Wo

 進んでも進んでも、何も変わらない。
 私はそれに疲れて、歩き始めていた。
 湿気を含んで身体にまとわりつくような大気の中を、のろのろと。

以下略



38:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 23:58:25.40 ID:dTPiuG0Wo

 ただ、足を動かす。
 カツ、コツ。
 ぺた、ぺた。
 私の靴音に、少し小さな足音が、遅れて続く。
以下略



39:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 23:59:15.79 ID:dTPiuG0Wo



 どれくらい、経っただろう。
 臭いがとうとう鼻を麻痺させて、音を除いた一切の感覚が消え失せて。
以下略



40:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/11(土) 00:00:12.01 ID:KutC8v+7o

 行き止まり。
 これだけ労力を払って、これか。
 結局はここまで、あたりの風景に何の変化もないままだった。
 しまいにこれでは、頭がおかしくなってしまったのではないかと思うくらいだ。
以下略



41:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/11(土) 00:01:16.05 ID:KutC8v+7o

 私は立ち尽くして考える。
 つかれにつかれて、くたくたになった状態で。

 この異常な空間を放置して、引き返すべきか。
以下略



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