1: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/11(土) 22:55:48.22 ID:8Z6YPA7jo
いつものように、事務所への道を歩く。
朝の空気は気持ちいいけれど、最近少しずつ暑くなってきた。
夏が近づいている。
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2: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 22:57:04.38 ID:8Z6YPA7jo
「おっはよー、雪歩っ」
「おはよう、真ちゃん」
3: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 22:58:06.25 ID:8Z6YPA7jo
2人で並んで、他愛のない話をしながら歩くと事務所まではすぐだった。
「おはようございまーす」
4: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 22:59:14.09 ID:8Z6YPA7jo
「おはよう真、雪歩」
「おはよう2人とも」
5: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 23:00:44.10 ID:8Z6YPA7jo
――――――
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6: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 23:02:10.95 ID:8Z6YPA7jo
彫りの深い顔立ちは男性的な魅力を湛えていると言えなくもない。
ただ、鋭すぎる眼差しがすべてを台無しにしている。
ハッキリ言うと、目つきが悪い。
それが、男性の印象を『強面』の一言に集約させていた。
7: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 23:02:54.31 ID:8Z6YPA7jo
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8: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 23:03:46.13 ID:8Z6YPA7jo
「プロデューサーさんなら、今日はもう帰ったわよ?」
キョロキョロと辺りを見回していた私に、小鳥さんが教えてくれる。
私、そんなに分かりやすかったかなぁ。
9: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 23:04:42.72 ID:8Z6YPA7jo
思考がマイナスへマイナスへと傾いていく。
とりあえずお茶でも飲んで気分転換をしよう。
「あぁ、そうそう。給湯室にプロデューサーさんからの差し入れがあるから」
10: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 23:05:50.82 ID:8Z6YPA7jo
「これはお餅……ですか?」
箱の中には一口サイズのお餅が入っていた。
何というかそっけない見た目です。
11: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 23:09:05.66 ID:8Z6YPA7jo
「ね、見た目だけじゃわからないものでしょ?」
小鳥さんが意味ありげにこちらを見つめてくる。
プロデューサーのことを言っているんでしょう。
12: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 23:10:16.04 ID:8Z6YPA7jo
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「おはようござ……」
13: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 23:11:56.56 ID:8Z6YPA7jo
「おら、もうおしまい。あー、仕事前に疲れるとか意味が分からん」
そう言って2人を降ろしたプロデューサーが、軽く肩を回している。
14: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 23:13:14.12 ID:8Z6YPA7jo
「んん?兄ちゃんは何を言ってるのかな」
「亜美たちはただ兄ちゃんで遊んでただけだよ?」
15: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 23:13:53.02 ID:8Z6YPA7jo
プロデューサーがちらっとこちらを見た気がする。
私にも何かを伝えようとしているのかな。
「いい歳した大人でも珍しくない反応だからな。むしろ、昨日の今日で切り替えて行動できるお前らは凄いよ」
16: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 23:17:08.11 ID:8Z6YPA7jo
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ソファーでお茶を飲んでいると社長室に呼び出されました。
17: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 23:17:34.64 ID:8Z6YPA7jo
「私はそうは思わないがね。君ならば大丈夫だろう」
「……とりあえず話し合ってみます。雪歩、後で屋上に来てくれ」
18: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 23:18:30.38 ID:8Z6YPA7jo
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19: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 23:19:48.83 ID:8Z6YPA7jo
プロデューサーはその場を動かずに告げる。
私との距離は随分とあって、そのお陰で落ち着いて話ができました。
「そ、そんな断るだなんて」
20: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 23:21:34.93 ID:8Z6YPA7jo
「答える前に一つ質問。俺、怖い?」
そう言うとプロデューサーは体を起こし、こちらにゆっくりと歩いてきます。
今まで逆光で見えなかった顔が、はっきりと見えるようになりました。
21: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/07/11(土) 23:22:33.66 ID:8Z6YPA7jo
「怖いけど逃げたくない、か。ちょっと過小評価してたみたいだな」
少しずつ近づいてくるプロデューサーにどうしても体がこわばってしまう。
思わず目を閉じそうになったとき、プロデューサーが足を止めた。
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