42: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/16(木) 15:11:50.58 ID:UcoIyJKGo
***************************
午後の日差しがじりじりと地面を焦がしている。
43: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/16(木) 15:12:44.70 ID:UcoIyJKGo
審査員席にずらりと並んだ男の人に、思わず体が強張ってしまった。
一つのミスを引き摺って、思い切ったアピールができなかった。
ペース配分を誤ったせいで、最後まで体力が持たなかった。
そうして失敗を重ねるうち、自分が固く、小さくなっていくようで。
44: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/16(木) 15:14:00.54 ID:UcoIyJKGo
「あらあら、雪歩ちゃんじゃない」
思わず出た溜め息の向こうから、ほんわかとした声が聞こえてきました。
45: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/16(木) 15:14:44.05 ID:UcoIyJKGo
「あ、あら?また迷っちゃったのかしら」
「一緒に事務所まで帰りますか?」
46: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/16(木) 15:15:18.15 ID:UcoIyJKGo
――――――
――――
――
47: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/16(木) 15:16:08.01 ID:UcoIyJKGo
「雪歩ちゃん、変わったわね」
予期せぬ言葉に、我知らず顔を上げていました。
あずささんは、嬉しそうな笑顔を浮かべています。
48: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/16(木) 15:16:41.71 ID:UcoIyJKGo
「でもね、ちょっと思い出して欲しいの。仕事で失敗したとき、プロデューサーさんは雪歩ちゃんを責めた?」
そういえば、プロデューサーは私の失敗をあげつらうことはありませんでした。
3歩進んで2歩下がっても、進んだ1歩のことを褒めてくれて。
49: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/16(木) 15:17:25.28 ID:UcoIyJKGo
「信頼しているのよ、雪歩ちゃんをね」
私を……信頼?
50: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/16(木) 15:18:14.53 ID:UcoIyJKGo
ぶっきらぼうで、わかりにくいところはあるけれど、プロデューサーは優しい人です。
前に進むための助言はくれるけど、実際に進むのは私だって突き放す、厳しい人です。
プロデューサーは、信じられる人だって思います。
51: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/16(木) 15:19:10.07 ID:UcoIyJKGo
――――――
――――
――
52: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/07/16(木) 15:20:29.43 ID:UcoIyJKGo
「同性だからこそ、言えることもあるだろうって」
「確かに、プロデューサーには言いにくかったかもですぅ」
111Res/63.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。