119: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/23(木) 22:00:36.73 ID:Ut9bCkLSo
盗賊(……今か? いや、まだ早い―――だけど、このままじゃ)
勇者「くっく! この部屋を覆い尽くす程の雷撃だ! 如何に速く動ける貴様でも、これを躱す事はできまい」
「二度、我の攻撃を躱した事は褒めてやろう―――極大、雷撃ィ」
僧侶「―――――対、魔防御、魔法」
雷撃が放たれる瞬間、勇者の後ろで倒れこんでいた僧侶が詠唱する。
馬鹿な、と勇者が振り返る―――が、僧侶は確かに壊れた眼で二人を見ていた。
この一瞬の隙を盗賊は見逃さなかった。
完全に壊し尽くしたはずの、彼女の言葉に勇者―――否、魔王が驚いた隙を。
彼女は言葉に出しただけで、決して魔法を発動させた訳ではなかった。
それに気づけ無いはずはなかった。但し、それが本来の魔王であったならばの話だった。
『人呼んで、黒い旋風』
誰が付けたか馬鹿馬鹿しい二つ名。
それを好き好んでいた彼女に魅せつける様に、盗賊は今、旋風として駆ける。
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