過去ログ - 盗賊「コインの表と裏」
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21: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:05:21.81 ID:9XTpaLhVo

―――やるべき事を、やればいい。

勇者と僧侶が戻って来たのを確認した後、盗賊は夜明け前の街へ繰り出していた。
目標はやはり腐った貴族。己が利益の為に、人類に牙を剥く外道。

「……たす、けて」

盗賊「残念だが、聞けないな」

ざくり。ダガーが肉を斬る感触が手に伝わる。
物言わぬ亡骸となった”それ”を尻目に溜息をついて、盗賊は屋敷を後にする。

人類の敵は魔族のみではないという事が分かった時、盗賊は人の命を刈る事を覚えた。
人間の中にも魔族と手を組む外道は多く居た。そういう輩は勇者たちを罠に嵌めようと画策するものだ。

魔法使い「……見ちゃったよ、盗賊さん」

盗賊「……見てたのか」

魔法使い「眠れなくて、さ」

屋敷を出た所で、思わぬ声に肩が震えた。魔法使いは少し、眠たげな眼を細めていた。
内心、しまったと動揺はしていたが僧侶ではなかった事が安堵感を与えてくれた。



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