44: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:31:59.13 ID:ZdmxBY5ao
その日の晩の事だった。
最後の街にて、四人は確りと魔王城への対策を練っていた。
勇者「――――以上、こういう風に攻めたいと思う」
簡潔に言えば勇者が先行し、残る三人は補助に回るという作戦だった。
確かに勇者の最近の成長は目覚ましく、一人で充分ではないかと思う時もある程だ。
魔法においては魔法使いを超え、回復においても僧侶を超えていた。
元より疾さを除けば盗賊など足元にも及ばない。
僧侶「……いよいよ、ですね」
魔法使い「ん、そうだね」
盗賊「……」
もうすぐ、この旅が終わる。長い様で、短いこの旅路が。
思い返せば多くの事があった。それは思い返すには時間が足りない程に。
勇者「明日、早朝に出発する。此処から1日も経たずに魔王城には到着するはずだ」
盗賊「この街が最後の補給地点か」
ちらり、と僧侶を見る。相変わらず凛とした表情だ――だが、淀んだ瞳になった。
聖職者の瞳をしていない。だが、それが愛に堕ちた者の末路なら何も言えやしない。
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