過去ログ - 盗賊「コインの表と裏」
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43: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:31:22.25 ID:ZdmxBY5ao

それから毎晩、盗賊の帰りを待つ魔法使いと夜風に当っては二人が寝入った頃にベッドに帰る日々が続いた。
勇者が女部屋へ行く時は魔法使いはそれとなく、僧侶に事前に聞いて外出していた。

そんな旅が続けば……崩壊する事は、自明の理か。

盗賊「勇者、話がある」

勇者「………なに?」

馬車を停めて、僧侶と魔法使いが川で水浴びをしている間に勇者を離れに誘う。
どうにも智将での一件以来、勇者は少し荒んだ様に思える。

言葉の端々に棘が見え、それを隠す気にもない様に見受けられた。

盗賊「少しは、魔法使いの身にもなってやれ」

勇者「なんの事かな……はっきり、言えば」

盗賊「アイツは、お前が好きだった。だけど別にお前が、僧侶とつがいになろうがそれは勝手だ」

勇者「……」

盗賊「勝手だけど……見せびらかす様に、僧侶とまぐわるのはやめろ」

勇者「聞き耳を立てる方が悪いとは、思わないかい。僕らに外で犬みたいに、まぐわれと?」

盗賊「耳栓でもつけて、寝ろってか? そもそも僧侶は嫌がっていないのか」

勇者「僧侶が気になるの?」

盗賊「別に。とにかく、魔法使いの事も考えてやれ」

勇者「ふふ……分かったよ」

本当に分かったのだろうか。勇者は少し、苦笑しながら頷いていた。
しかしこれ以上、追求しても雰囲気が悪くなるだけか――盗賊はこれ以上、何も言えない。



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