50: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:35:20.20 ID:ZdmxBY5ao
盗賊「悪いが、俺は惚れた女しか……抱かないんでね」
僧侶「……私は、違うと」
51: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:35:46.80 ID:ZdmxBY5ao
数時間、外の風に当って呆けていた。
途中、魔法使いが外へ出て来て、申し訳がちに「ごめん」とだけ呟いた様だった。
盗賊は特に反応する事もなく――情事の終わりを感じて、自室へと戻った。
52: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:36:15.21 ID:ZdmxBY5ao
盗賊(俺は僧侶に救われた。勇者の為にこの手も汚した。魔法使いも大事な仲間だった)
だけど、盗賊の心は今、濃霧に包まれた様な感覚に染められていた。
53: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:36:52.18 ID:ZdmxBY5ao
翌朝、起きれば盗賊を除いた三人が談笑していた。
盗賊が挨拶を交わすと、普段通りに三人とも挨拶を交わす。
まるで昨日の出来事はなかったかのように。
54: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:37:21.68 ID:ZdmxBY5ao
盗賊「……ああ、そうだな」
愛人だとしても、魔法使いはきっと受け入れたのだろう。
あの謝罪の言葉は、きっと後ろめたさからの言葉だったのだろう―――だけども。
55: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:37:57.94 ID:ZdmxBY5ao
魔王城は不穏な雰囲気に満ち溢れていた。
一歩進むごとに、心臓にナイフを突きつけられている感覚が増していく。
盗賊「……っ」
56: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:38:23.58 ID:ZdmxBY5ao
勇者「あの村での智将……彼は側近だったんだろう。それ以上の魔物は、いないとは思っていた」
「だけど、此処まですんなり来れたんだ。やっぱり僕らは強くなっているんだ」
僧侶「はい。だから……」
57: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:38:51.23 ID:ZdmxBY5ao
盗賊「俺は旅に出ると思う。お前らの雄姿でも言い伝えながら、魔族の残党でも狩るさ」
偽りなく、盗賊も言った。
58: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:39:40.73 ID:ZdmxBY5ao
ここまで
次から魔王戦
これだけで長くなりすぎたチーン
59:名無しNIPPER[sage]
2015/07/16(木) 05:19:32.78 ID:a26iykTPo
一番屈折してるのは勇者に見えるなあ
乙乙
60: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:28:05.89 ID:IVe03aaio
魔王「ようこそ、勇者諸君」
どんよりとした空気の重さに、思わず盗賊は膝をついた。
圧倒的な瘴気はまるで、泥沼の中を泳ぐ様な感覚を与える。
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