61: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:28:39.71 ID:IVe03aaio
僧侶「………はぁ、はぁ」
魔法使い「対峙するだけで……この、圧迫感……」
62: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:29:06.86 ID:IVe03aaio
魔王「勇者と、その仲間たちよ。全身全霊を以て我を楽しませろ」
「それが出来たなら―――我もまた、朽ちる気にもなるかもしれんぞ」
ドス黒い魔力の波動を感じて、僧侶が杖を掲げる。
63: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:29:34.58 ID:IVe03aaio
魔王「ふむ……もたぬ、か。その聖剣、やはり厄介よの―――くっくっく」
障壁が徐々に崩壊して行く。勇者の一太刀毎に罅が広がって行く。
64: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:30:13.29 ID:IVe03aaio
盗賊「…………くっ」
盗賊は柱に隠れつつ、隙を伺うしかなかった。やはり、弱点はないのか。
65: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:30:53.76 ID:IVe03aaio
以前、智将が武器と使用していたであろう真紅のダガー。
街の鍛冶屋で正しい鑑定を受け、このダガーが強力な呪いを帯びた逸品だと知った。
耐久力はやはり脆く、一度限りの使用。刺せば一度、呪いが発動する―――が、その効果事態は鍛冶屋でも教会の人間でも分からない。
66: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:31:44.19 ID:IVe03aaio
魔王「闇に呑まれよ!!!!!」
勇者「くっ――――らあああああああ!!!」
67: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:32:15.02 ID:IVe03aaio
曰く、魔王は瘴気を吸い上げ魔力を高める。
魔族は瘴気なしでは生きられない。瘴気とは魔力濃度が高まる程、発生しやすくなる。
故に聖職者などの浄化なしでは魔力は危険性の高い物質―――故に、魔王は魔力を統べる瘴気の王。
68: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:32:45.91 ID:IVe03aaio
魔王「我の弱点に気づいたのは褒めてやろう。最も、貴様のその陳腐な武器では致命にはなり得ぬがな……」
盗賊「あ、ああああ、あああああああ!」
69: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:33:12.64 ID:IVe03aaio
魔王「鼠よ、身の丈に合わぬ志を抱いた者よ。中々に我を楽しませたぞ―――貴様が、一番優れた道化だったのかもしれんな」
ゆるやかに、盗賊の眼前にもう片方の魔王の手が迫る。
70: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:34:01.65 ID:IVe03aaio
燃える。爛れる。痺れる。熱い。熱い。熱い。
右目が失くなった。吹き飛ばされ、壁に叩きつけられ身体中の骨がバラバラになりそうだった。
それ以上に右目の喪失感と、激痛が盗賊の意識を引き千切ろうとしていた。
71: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:34:29.50 ID:IVe03aaio
盗賊「だ、だから……俺は捨て置け! 勇者と、魔王を……討ってくれ!」
僧侶「………で、でも」
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