過去ログ - グリP「先輩と」モバP「先輩」
1- 20
18:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 15:48:26.86 ID:d3Zd/SN00
07


 泰葉ちゃんは桃子の憧れだった。

 桃子よりも早く芸能界に入っていて、活躍していた。子役として一世を風靡していた。『岡崎泰葉』という名前を聞けば、誰もが『あの』と口を揃えた。大人でもその実力を認めざるを得ない子役。それが『岡崎泰葉』という子役だった。

 桃子は泰葉ちゃんみたいになりたかった。桃子には芸能界で泰葉ちゃんがいちばん輝いているように見えた。

 だから、泰葉ちゃんに少しでも追い付くために、桃子は努力した。がんばって、がんばって、がんばって、がんばった。お手本はいつも見上げた先にあった。でも、泰葉ちゃんだけを見ていたわけじゃない。泰葉ちゃんの演技を見て、他の役者さんたちの演技を見て。先生たちから、上手いと思った人たちから色々なことを積極的に聞きに行った。
 その中でわかったのは、やっぱり、泰葉ちゃんがいちばん桃子のお手本になるということだった。桃子の目指す先には、泰葉ちゃんが居る。色んなことを知っていくにつれて、桃子は確信していった。泰葉ちゃんへ抱いていた憧れはどんどん強くなっていって、同時に、泰葉ちゃんは桃子にとっての目標にもなった。

 そして、あるお仕事で、桃子は泰葉ちゃんと共演することになった。泰葉ちゃんはほとんど主役で、桃子は端役でしかなかったけれど、これは桃子にとって、夢の一つが叶った瞬間でもあった。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
95Res/73.32 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice