過去ログ - グリP「先輩と」モバP「先輩」
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36:名無しNIPPER[saga]
2015/07/16(木) 16:04:15.32 ID:d3Zd/SN00
 この業界で生き残るために必要なものは力だと教えてもらった。だから私は力を付けた。演技力を身に付けた。『演技』に必要なものを出来る限り身に付けた。どうすれば演技が上手くなるのか。そうすることで大人の期待に応えられると思った。大人の人たちの言う通りのことができるようになると思った。

 結果として、私は子役としての地位を確立した。大人の人たちの言うことを聞いて、その通りにすることができるようになった。

 私は大人の人の言うことを聞いただけだった。今、それができる力を付けたことすらも、大人の言うことを聞いた結果でしかない。自分の意志でしたことなんて、何も、ない。

 でも、彼女は違う。桃子ちゃんは違う。彼女は自分の意志で言ったのだ。自分の意志で、『この作品をより良いものにしたい』という意志で、桃子ちゃんは監督に口を出した。

 それは決して私にはできないことだった。大人の言うことを聞いているだけの私にはできないことだった。

 ――だから、私は彼女に憧れた。



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