7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/16(木) 23:41:38.05 ID:pES0toMOO
色んな人が私に可哀想だと声をかけてくれる。
あれも出来ない。これも出来ない。無理をさせてはいけない。
私は小さいころから「無理」と言う言葉を積み重ねていくしかない。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/16(木) 23:42:08.05 ID:pES0toMOO
小さいころから少し達観していた部分はあった。
捻くれている訳じゃないけど、出来ないことばかりだし、
無理なんだと割り切る性格がそうさせてしまっているんだと思う。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/16(木) 23:42:36.54 ID:pES0toMOO
「加蓮聞いた!?」
「なにー?」
「同じ中学だった渋谷凛って子覚えてる!?」
10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/16(木) 23:43:24.06 ID:pES0toMOO
彼女の話はあまり頭に入ってこなかった。
渋谷凛、知っているぐらいの子だった。
特に目立った噂は聞かなかったけれど、少し大人びていて、静かな子だった印象ぐらいだ。
11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/16(木) 23:43:58.38 ID:pES0toMOO
久しぶりに音楽情報を漁ってみる。
『渋谷凛』
そのワードを探してみる。少し話題になっていたみたい。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/16(木) 23:44:38.58 ID:pES0toMOO
正直、羨ましいと思った。
何で私じゃないんだろうって、胸がむかむかした。
でも、私には無理なんだって。出来ない人間なんだって。
そうやってこの胸の不快感を消化しなければ。
13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/16(木) 23:45:21.51 ID:pES0toMOO
春が終わりを迎え、夏の暑さを迎える少し前、
ミントの花が咲き始めて、その葉の匂いに心落ち着かせる。
14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/16(木) 23:46:10.45 ID:pES0toMOO
「アイドルに興味はありませんか?」
低く響く声よりも、その大男から発せられた言葉の内容に、胸がざわめきたつ。
「アンタがアタシをアイドルにしてくれるの?」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/16(木) 23:46:45.85 ID:pES0toMOO
一歩ずつ。私に出来るだろうか。
私は一歩目を踏み出すことが「無理」だと思って今まで生きてきたから。
「…少し考えさせて」
16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/16(木) 23:47:24.49 ID:pES0toMOO
神様は少しだけ私にいい思いをさせてくれようと、
辛い思いや、苦しい思いをした日々から救ってくれようとしているのだろうか。
別に、誰かに救ってもらいたかったわけじゃない。
17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/16(木) 23:48:03.53 ID:pES0toMOO
私がアイドル。
昔、目を背けて見ないようにしていた夢が、小さいころに思い描いていた夢が叶った。
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