7: ◆8HmEy52dzA[sage saga]
2015/07/17(金) 21:32:42.95 ID:0XhJBn560
003
表紙からしていかがわしい空気を放つそれは、僕が毎晩のようにお世話になっている本そのものだ。
中身は――いや、深くは語るまい。
男子の夢が詰まっている、とだけ言っておこう。
「ど……どこで、それを……」
過呼吸気味の息遣いを何とか整え、やっと喉から絞り出されたのは、そんな益体もない台詞。
「なんだか床の下から瘴気を感じて、調べてみたら床が外れたのよ」
「瘴気!?」
まさか僕の溢れ出んばかりの愛が思念となり、そんな逆効果を産んでしまったのか!?
無表情のまま、僕秘蔵の本を速読していくガハラさん。
次の瞬間、その口からどんな罵倒の言葉が飛び出すのか気が気ではない。
何この罰ゲーム!
僕、ここまでされるほど悪い事したっけ!?
「あ、あの、戦場ヶ原?」
「あら、阿良々木くんはスパッツが好きなのかしら。この子、どことなく神原に似てるわね」
スパッツ。
絶滅したブルマに代わるスポーティな女子に似合う運動着。
構造的には長さが腿まであるブルマのようなものだが、僕としてはスパッツの方が腿やお尻のぴっちり感が強調されていて好きだ。
ブルマと違って、隠さない女子が多いのも好印象である。
エロスは露出が多ければいいというものではない、とスパッツは僕に大切な事を教えてくれた。
「これは……三つ編みで巨乳の女の子が眼鏡を……あらやだ、ちょっと前の羽川さんみたいじゃない」
眼鏡、巨乳、三つ編み。
草薙の剣、八咫の鏡、八尺瓊の勾玉に並ぶ日本の三種の神器と言っても過言ではないだろう。
眼鏡も三つ編みも優等生を体現するものと言ってもいい。
眼鏡は勉強のしすぎで目を悪くしたという印象があり、三つ編みは古くから伝わる普遍的な十代女子の髪型だ。
出る杭は打たれるという風潮から個性を発揮する事を良しとする時代、三つ編みという個性とは遠い(僕の個人的な所感ではあるが)三つ編みの女子にはある種の矜持すら覚える。
その正に優等生を体現する眼鏡と三つ編みの女子が、女性最大の武器である巨乳を携える。
鬼に金棒どころではない。
ギャップ萌えも嵩じて戦場ヶ原に文房具、八九寺にリュックサック、神原にハッテン場と新しい諺が産まれてもおかしくはない。
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