過去ログ - 海未「海の日ですね」ことり「そうだね!」
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21:名無しNIPPER[sage]
2015/07/20(月) 17:54:57.57 ID:PW7l1Poz0
上の方からタオル越しに「これくらいかな」という声がする。

服は仕方ないにしても髪はそんなに濡れていなかったのかもしれない。

ともあれ、つかの間の目の保養でした。

不意に視野が明るくなり、目線を上げると目の前、すぐ近くにことりの顔があって驚く。

ことりが少し恥ずかしそうに顔を赤らめて、ムッとした目線をこちらに向けている。

夕陽を背負い、逆光になっているせいか、写真に収めたいくらいとてもきれいだった。

海未「あの、何か怒ってます?」

ことり「タオルで隠れてるとはいえ、見過ぎじゃないですか、園田さん」

海未「......なんのことですかねぇ、南さん」

内心、心当たりがあるがゆえ、ギクギク園田さんです。

ことり「とぼける?」

海未「......いやぁ、なんのことなのかさっぱりなもので」

途端にぺしっと頭を叩かれた。

海未「あたっ」

ことり「目線、バレバレだったよ」

海未「あたっ」

叩かれていないのに心が痛くて思わず声が出た。

ことり「もう。海未ちゃんがなんだかんだで一番破廉恥だよねっ」

海未「は、破廉恥って、そんなこと! ことりの方がむしろベタベタ触ってくるじゃないですかっ」

ことり「ことりは他の人に見られても平気なレベルでやってるもん! 海未ちゃんのはなんていうか、人が見てないからやってる感があるから、やっぱり破廉恥だよ」

海未「うぐぐっ......」

何も言い返せずに、そこで私の負けが決定した。

一度黙ってしまい会話のスピードを下げてしまった者がこの先何を発言しようとも、それはすでに負け犬の遠吠えに他ならなかった。

ことり「......まったくもう。海未ちゃんは仕方ないなぁ」

ことりが呆れたように、だけどとても優しく笑って、私の両肩に両手をそれぞれ置いたかと思うと、ぐっとチカラを込めて立ち上がる。

ことりが立ち上がるのに合わせて膝の裏に乗せた砂の山がパラパラとあっけなくこぼれ落ちた。

「なんでこんなところに砂乗せるかなぁ」と言いながら、ことりは膝の裏に残った砂を払い落とし、私の隣に腰を下ろした。

ことりが私の前からいなくなると、ことりによって遮られていた夕陽の光が、真っ向から私へ降り注ぐ。

すでに夕陽は海面にその四分の一ほどを埋めていて、砂浜に座っている私たちの目線の高さくらいのその光源の明るさは目を眩ませるほどだ。



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