3: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/07/21(火) 10:47:15.97 ID:7uNH2Jhi0
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
海上で保護された私がそのまま鎮守府に着任扱いになってから早三ヶ月が過ぎた。
今はだしとしょう油の香りが漂う厨房で私は二人で踊っている。
踊るって言っても、やってるのはちゃんとした調理ですけど。
以前つまみ食いに来たゴーヤちゃんとイクちゃんが私たちの作っているところをそう呼んで以来、料理を作っていると本当に踊ってるような気持ちになっていた。
私たちは手早く別々の動きをしながらも、決められた流れに沿っているように動く。
手前味噌だけど淀みない連携をしていると思う。阿吽の呼吸と言うんでしょうか?
足りない物があって冷蔵庫を開けた時にステンレスに私の姿が映り込む。
紺の癖っ毛をセミロングにした赤目の私。
束ねた後ろ髪が肩の前で動きに合わせて跳ね、首にかけた碧の勾玉も同じように跳ねる。
青と白のセーラー服を着て、セーラー服の襟と袖先、スカートの裾には白線が点線を描いている。
そのセーラー服の上からクジラのワッペンがついた白のエプロンをかけていた。
これが今の私の、大鯨の格好。
一緒に調理をしているのは紅葉色の和服に桔梗色の袴。袴と同じ色のたすきで和服の袖を留めた年上の人。
和服の上から割烹着を着たその人の背は高くないけど、すらりと伸びた立ち姿には貫禄と美しさが同居している。
ショートのポニーテールのその人は鳳翔さん。
私の受け持ちが終わったところで鳳翔さんに声をかけると、鳳翔さんもまたかき揚げを揚げ終えたところだった。
「準備できましたあ」
「ありがとう大鯨さん、後はやるからみんなを呼んできてもらえる?」
「はい、行ってきますね」
46Res/52.03 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。