36: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/07/27(月) 09:28:51.15 ID:x8AHwltW0
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
敵の艦載機が来る前に鳳翔さんの後ろ姿に追いつけた。
隊内無線を入れて、その背中に呼びかける。
「待ってください! 私も一緒に!」
振り返った鳳翔さんの顔は驚いている。
どうして、と問うような顔に先に答えていた。
「来るななんて言わないでください! 私だって大鯨なんです! 艦娘なんですよ!」
「……それでも命令違反ですよ。困った人ですね」
「あう……」
鳳翔さんは微苦笑を浮かべる。それでも私を見る目は優しいと思えた。
「一緒に凌いで一緒に帰りましょう。監督不届きで私もたまには怒られてみるのもいいのかもしれませんね」
微苦笑は純粋な微笑みに変わっていた。
鳳翔さんは敵機が来るはずの方角に目をやりながら訊いてくる。
「対空兵装はどうなってます?」
「備え付けの機銃に高角砲、後は夕張さんが試験してた噴進砲があります」
両足に装着している噴進砲は対空火器としての有効性こそ認められているものの、射程の延長と排熱を含めた二射目以降の装填時間が課題に挙がっている。
これらが改善されていなくても高角砲よりは有効な対空火器だとは思っている。
「二十機ほどの編隊が上手く分散しててくれれば一人頭で十機。それならお互いに上手く立ち回れば十分避けられますね」
気休めか本心なのか、ちょっと分からなかった。
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