7: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/07/21(火) 10:52:12.98 ID:7uNH2Jhi0
呼びに来た理由は向こうも分かってるみたいで、はっちゃんが確認するよう聞いてくる。
「夕食ですか?」
「ええ、かき揚げそばですよ」
「イク、前から思ってたけど、ここってそば率高いの……」
「夕張さんがおそば大好きだからだよぉー」
そういうゴーヤちゃんも実はそば好きで、特にカレー南蛮がお気に入りなのを私は知ってる。
日々のメニューを考える身となると、とりあえず困った時はそばを作ればいいというのはとても助かる。
「イクが飽きてるならハチがもらってあげるよ?」
「そんなのダメなの! ハチの食いしん坊!」
二人がじゃれ合うような調子でラウンジから出て、ゴーヤちゃんとイムヤちゃんもそれに続く。
最後尾のイムヤちゃんが立ち止まると小さな声で話しかけてきた。
「大鯨さん、大丈夫?」
寝耳に水、ということわざはこんな時に使うんだと思った。
「え、えっと何がかな?」
「あまり元気がないみたいだったから」
「そんなことないよー」
言ってから思う。嘘をついてもすぐにイムヤちゃんには見破られてしまいそう。
逆に心配させてしまうだけかもしれないなら、正直に認めたほうがきっと変に誤解されないで済む。
「どうして分かったの?」
「伊達に海のスナイパーを自称してませんから。まあ表情とか目の動きでなんとなくだったから確信はなかったんですけど」
「すごいね……でも本当に大丈夫なんだよ。ちょっと考え事してたら暗い想像しちゃっただけだから」
「そういうことならいいですけど……大鯨さんは笑ってる時が一番ですよ?」
嬉しい言葉に私は笑い返す。
「先に行ってますね。夕張さんはいつも通り工廠にいるはずですよ」
イムヤちゃんを見送ってから工廠に歩いていく。
……ダメだな、私って。あの子たちのお世話をしないといけないのに、逆に心配をかけちゃうなんて。
大鯨さんは明るくないと、ね?
こんなことで落ち込んでちゃいけない。
笑ってるのが一番。本当にその通りだと思う。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
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