過去ログ - 提督「この世界にいらないもの?」
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8:名無しNIPPER[saga]
2015/07/27(月) 15:36:43.28 ID:NYc+OQMZ0
夕立も一般乙女の例に漏れず恋愛小説の作法に則ってみたのだ。そしてそれがたまたま「プラナリア」だったというだけだ。時雨は夕立を見た。満足そうな顔。何の問題も感じていないらしい。恋は盲目。

「プラナリアって感情があるのかい?」

「知らないっぽい!」

これが答えだった。何かよくわからないものに違和感を持たないまま夕立は全てに納得したかのようだった。変に知識をつけて分からないものをわからなくするよりも、まだ分からないものをわかっていて、おどおど慎重になりすぎるぐらいの時の方が時雨には良いように思えた。

だからと言って、そのことで夕立にとやかく言うつもりは時雨にはなかった。おかしいと言うとその理由を説明しなければならなくなる。愛とはなんぞやかんぞやだからうんぬんで間違っている。時雨にはできそうもない面倒な芸当だった。

こういう時は適当に話を合わせて、そこから徐々に話題を理解できそうなものに逸らしていくのが時雨の常だった。考える必要のない楽な道である。鎮守府の優等生時雨も怠惰に生きるのが好きだった。


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