過去ログ - ハルヒ「IBN5100を探しに行くわよ!」
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769: ◆/CNkusgt9A[saga]
2015/08/17(月) 21:22:50.75 ID:LMzppfs/0
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あれはたしか、今から6年前。西暦で言うと2004年の夏、お盆の時期だった。正確な日付までは毫も覚えてない。俺はまだ小学5年生の鼻垂れ小僧だった。

俺の家は毎年夏になると家族総出で母親の実家がある田舎まで避暑と先祖供養を兼ねて遠出していた。

田舎に帰った俺はいつも従兄弟どもと遊ぶのが、まぁ鬱陶しくもあったが存外これが楽しみだった。

だが、それ以上に俺は田舎の夜空を眺めるのが好きだった。

あのスペクタクルは人里離れた土地でしか観測できない。

ただ、ひたすらに宇宙。

見つめているだけで、自分が宇宙に吸い込まれていくような、あるいは宇宙が自分に溶け込んでくるような、そんな時間と空間、主体と客体が混ざり合う感覚がたまらなく好きだった。

なんと魅力的だったことか。俺は夢見がちな子どもだった。

心の底から、宇宙人や未来人や幽霊や妖怪や超能力や悪の組織が目の前にふらりと出てきてくれることを望んでいた。宇宙を見つめているとまるで異世界に飛ばされた気分に浸れたのさ。

俺の天文的知識はそのほとんどを年の離れた従姉妹のねーちゃんに教えてもらった。無秩序としか思えない夜空の星々を魔法のように的確にマッピングしていく姿にまだ純朴だった少年は憧れを抱いた。

どうでもいいが、そのねーちゃんはそんな俺の幼少期の甘酸っぱい記憶など綺麗さっぱり脱ぎ捨てて大学デビューとやらを果たした後、ロクでもない男と駆け落ちすることになる。



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