過去ログ - ハルヒ「IBN5100を探しに行くわよ!」
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770: ◆/CNkusgt9A[saga]
2015/08/17(月) 21:23:56.71 ID:LMzppfs/0
その日も俺は従兄弟どもを寝付かせて、一人こっそりでっかい楠の木のある裏山に登った。小さな祠の先には見晴らしの良い開けた場所があった。

ここが当時の俺が開拓した中で絶好のスポットだった。お気に入りの場所、秘密基地、隠れ家、そんな感じの場所。

当然、誰もいないはずの場所だ。大人は虫に噛まれたり蛇に遭遇するのを嫌がって来ないし、いや、俺だって蛇は怖かったんだがそれよりも好奇心が勝った。
以下略



771: ◆/CNkusgt9A[saga]
2015/08/17(月) 21:31:17.91 ID:LMzppfs/0
「だれ……」

その女の子は、涙こそ流していなかったが悲壮な感じが伝わってくる風柄だった。月明かりに照らされているという劇場効果のせいかもしれない。

「名前なんてどうでもいいだろ。ここは俺が天体観測をする場所なんだ」
以下略



772: ◆/CNkusgt9A[saga]
2015/08/17(月) 21:32:17.69 ID:LMzppfs/0
「あの真上にあるのがベガ、こと座の一等星、いわゆる織姫様だ。それで、天の川を挟んで対岸にいるのがアルタイル、わし座の一等星、彦星様。それで、この二つの星と、川の中州にある星で三角形を作って、これが夏の大三角形」

ちなみにこの辺の知識はねーちゃんが駆け落ちした辺りですっかり頭から消え去った。そういや去年の夏にハルヒから教え直してもらったりしたな。どうも俺は必要が無くなった記憶は片っ端から朝7時の巡回ゴミ収集車へとダストシュートする習性があるらしい。

「あのほしのなまえは?」
以下略



773:名無しNIPPER[sage]
2015/08/17(月) 21:33:10.91 ID:3pBdN2qwo
カワサキか……


774: ◆/CNkusgt9A[saga]
2015/08/17(月) 21:33:28.32 ID:LMzppfs/0
「彦星に会いたいのか?」

「ううん。そうじゃなくてね。まゆしぃね、きんじょの男の子がおはなししてくれなくなっちゃって……」

「あー、それはだな。『女なんかと遊んでられるか!』ってやつだ」
以下略



775:名無しNIPPER[sage]
2015/08/17(月) 21:34:57.55 ID:U2xTlm2wO
今は厨二病だしなあ


776: ◆/CNkusgt9A[saga]
2015/08/17(月) 21:36:41.05 ID:LMzppfs/0
「な、泣くな! 大丈夫だって、その男の子は絶対マユシィのこと好きだから!」

「ホ、ホント?」ウルッ

「あぁ。その病気っていうのはケッタイな病気でな、心で思ってることと言動が反対になっちまうんだ」
以下略



777: ◆/CNkusgt9A[saga]
2015/08/17(月) 21:45:00.30 ID:LMzppfs/0
「おまじないを教えてやろう」

俺はキメ顔でそう言った。

「えーっ、おまじない!? どんな、どんな!」
以下略



778:名無しNIPPER[sage]
2015/08/17(月) 21:48:00.07 ID:3pBdN2qwo
お前の仕業か


779: ◆/CNkusgt9A[saga]
2015/08/17(月) 21:48:27.66 ID:LMzppfs/0
「いせかいってなぁに?」

「異世界ってのは、違う世界のことだよ。えーっとだな……、例えば、天国とか地獄とか」

「すごい! じゃぁさ、じゃぁさ、まゆしぃもこうやってると、おもいがとどくかなぁ」
以下略



780: ◆/CNkusgt9A[saga]
2015/08/17(月) 21:50:28.20 ID:LMzppfs/0
「あーっ、もうこんなじかん!」

突然マユシィは少女が持ち歩くには奢侈な懐中時計を取り出して時間を確認した。気付けば結構な時間が過ぎていたようだ。

「家まで連れて行ってやるよ。ほら、手を貸せ」
以下略



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