過去ログ - 提督「降りしきる>>1の中で>>1と>>1つ」【安価】
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3:名無しNIPPER[saga]
2015/08/01(土) 20:25:45.51 ID:WOfLjiaL0
提督は普段書類仕事に追われているか、暇であっても娯楽で時間を潰してきた。こうした何をするでもない真空の時間を持つことに慣れていなかったのだ。のんびりすると言っても、すぐに体がうずうずして居心地が悪くなった。

退屈なぐらいならば、雨のうちへ飛び出して、水たまりの中のアメンボと戯れる方が良いような気さえしてきた。腰を上げようとしたのを慌てて留まらせた。成人男性でそれはありえない。

今の状況を客観的に見て、自分はどのような振る舞いをするべきか考えることにする。夏の夕立、寂れた神社で、軍服姿の男が雨宿りをしている。絵になるのは、神妙な表情で何かを考えている様だ。落ち着き無くそわそわしているのは格好が悪い。

よし何か哲学的なことでも考えよう。そう思い立ったのは良いが、そもそも提督には哲学とは何かという哲学的問から始める必要があった。

めんどうくさいと思った。なんで雨宿りのせいでそんな厄介なことを俺が考えなければいかんのだと思った。夕立が原因で人間が思弁的にならねばならないというならば、今頃世の中は哲人皇帝が量産されたり樽の中で暮らしたり火山の中に飛び込んだりする輩が続出して愉快にしっちゃかめっちゃかしているはずだ。

提督は何も考えたくなかった。でも、何も考えていないとは思われたくなかった。なので、ここを通りがかる人がいたら、提督の姿を見て「まあなんて哲学的佇まいなんでしょう」と賛嘆するようにポージングを取ることに専念する。


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