3:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 00:40:32.11 ID:LS2OFy5V0
“宮永咲の場合”
京太郎「咲さーん、大丈夫ですかー」
咲「あーい、大丈夫ねすおー」
はははー、何が大丈夫なんですかねー。
俺は今、飲み会が始まって早々に潰れた幼馴染を介抱している。
流石に弱すぎるだろうという、若干の呆れとこいつの新しいところを今更見つけるとはという、多分結構大きな驚き。
そういや、大学に進学してから、こいつがプロ入りしてからは随分疎遠になってたなー、なんて思いながら頭を撫でてやる。
京太郎「つらいなら横になるか?」
咲「あーい」
俺の問いに対して、肯定。どうもこいつは酔うと退行してしまうらしい。
ただ、
京太郎「おい、咲。足が痺れたらどうすんだ」
咲「やーだー!きょうーたんの脚がいいー!」
京太郎「ああ、もう......。男の脚何て硬いだけだろうに」
本格的に酔いが回っているようだ。滑舌も全然まわっていない。
咲「寂しいよぉ」
京太郎「あん?」
不意に零した一言。ももに顔をうずめているため表情は窺えない。
咲「プロになって、みんなと離れ離れにになっちゃって、しゃびしいよぉ」
京太郎「......」
いつもとは違う、本当に押し潰されそうな、そんな言葉。
でもこいつは、無理して笑うんだろう。明日も明後日も。
なら、だったら
京太郎「はん、少しの我慢も出来ないのか?」
咲「だってぇ」
京太郎「あと一年」
咲「?」
京太郎「あと一年で迎えに行ってやる。お前が寂しいのはそこまでだ」
楽勝だろう。何てったってこいつの傍で、一番長く麻雀を観ていたのは他でもないこの俺。
迎えに行くのも、こいつと張り合うのも全部俺が背負おう。
京太郎「安心して、もう寝てればいいさ。きっと果報が届く」
咲「うん......」
とりあえずは、ちんちくりんな眠り姫でも背負って帰りますか。
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