過去ログ - 咲「これが私の麻雀だよ」
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75:1[saga]
2015/08/06(木) 04:18:07.37 ID:DprYNBt5O

 南浦邸を後にし、数絵に見送られて健夜は帰路につこうとしていた。
 満足げな健夜に対して、数絵の表情は険しい。

数絵「小鍛治プロ。来年より、御指導御鞭撻の程、よろしくお願いいたします」
以下略



76:1[saga]
2015/08/06(木) 04:19:22.05 ID:DprYNBt5O

 あとひとり。
 色々と問題はあったが、とにもかくにもあとひとりだった。

 そうとなれば、あとは手段を選んでいられない。
以下略



77:1[saga]
2015/08/06(木) 04:22:04.65 ID:DprYNBt5O

憩「ごめんなさい。小鍛治プロのお目に叶ったということはすごく光栄なんですけども、慎んで遠慮させていただきます」

 もう何度耳にしたかわからない「お断り」。
 最近では中学生のみならず、高校一、二年生にもあたっては砕けていた。
以下略



78:1[saga]
2015/08/06(木) 04:23:14.02 ID:DprYNBt5O

 ところが。

 健夜は立ち尽くしていた。
 あまりに情報不足で、あまりに無謀な試み。
以下略



79:1[saga]
2015/08/06(木) 04:24:20.84 ID:DprYNBt5O

 歩き出した健夜はなにかにぶつかってしまった。
 軽い衝撃にたたらを踏む。よろめきはしたが、たいしたことはない。
 問題は目の前に転がっていた。

以下略



80:1[saga]
2015/08/06(木) 04:24:56.38 ID:DprYNBt5O

健夜「だっ、だいじょうぶ!?息してるっ?死んでない!?」

 抱きかかえるように少女を起こすと、その軽さにまたしても驚かされる。
 比較的小柄な部類の健夜の腕のなかにすっぽりと収まってしまう少女は、本当に華奢という言葉が似合った。
以下略



81:1[saga]
2015/08/06(木) 04:25:41.31 ID:DprYNBt5O

 どうにか落ち着きを取り戻し、ぶつかってしまった少女とふたり、連れ添って近くのベンチで一息入れていた。
 健夜は改めて少女の身形を確認し、思う。

健夜(この子…もしかしなくても、対木もこちゃんなんじゃ)
以下略



82:1[saga]
2015/08/06(木) 04:26:45.20 ID:DprYNBt5O

健夜「あの…あ、私は決してアヤシイ者ではないんだけど」

 そう言ってる時点でアヤシイよね、と自分自身思ってしまう。
 どう説明したらいいものか、考えに考え、
以下略



83:1[saga]
2015/08/06(木) 04:28:15.62 ID:DprYNBt5O

健夜「そっか。実は私、麻雀の才能がある子を探しているんだけど、対木さんがボードゲームの類で噂になってるのを耳にしたんだ。天才だって」

 今度は照れくさそうに、少女は身をよじる。
 言葉少なにも感情が現れている。会話がなくとも、通じている気がした。
以下略



84:1[saga]
2015/08/06(木) 04:29:07.99 ID:DprYNBt5O

健夜「私が教えてあげる。だから、今度は私と…私たちといっしょに麻雀、やってみない?」

 包帯の下で、無表情ながらも、感情が揺れ動いているのが感じられた。
 
以下略



85:1[saga]
2015/08/06(木) 04:30:27.45 ID:DprYNBt5O

 なんとか、人数は集まってきた。
 これで定員割れという最悪の事態でいままでの頑張りは水の泡に、各方々から冷やかなバッシングを受ける、ということもなくなりそうだ。
 
 後は座して待つだけ。時が――彼女が、やってくるのを。
以下略



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