51:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 16:17:48.44 ID:5uQHH2Qt0
菫「松実さん?……咲ちゃん、部屋の明かりをつけて」
目がわずかに慣れて、弘世さんの足下に何かが横たわっているのが見えた。
玄さん、なのでしょうか。
52:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 16:19:42.41 ID:5uQHH2Qt0
憧と穏乃、それに大星さんは顔をわずかに青くそめて玄さんに駆け寄った。
末原さんは言われてすぐに救急箱を取りに駆け出した。
そして私と愛宕さん、お姉さんはただただ呆然としていた。
53:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 16:22:15.44 ID:5uQHH2Qt0
少しして頭が冷えると、一体何が起きたのか少し分かってきた。
あのとき横たわる玄さんのお腹には果物ナイフが突き刺さり、白いセーターは赤く染まっていた。
誰が、何故、いつ、どうやって――そんなことはジャグジーで次々に現れる泡のように、浮かんでは消えてしまった。
54:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 16:25:53.98 ID:5uQHH2Qt0
それは全員が集まる談話室で、これから話し合われることとなりました。(玄さんは憧たちの部屋で寝かされている)
憧「それで救急車を呼べないってどういうこと?」
ソファーに全員が座りいざ話し合おうとすると、憧が真っ先に話をきりだした。
55:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 16:27:52.38 ID:5uQHH2Qt0
つまりこれは本当に――
憧「だ、誰が!誰がやったの!?」
咲「誰って……誰かが回線を切ったってこと?」
56:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 16:29:29.77 ID:5uQHH2Qt0
憧「切断面は鋭いし、老朽が原因でもない。ということは誰かが意図的に切ったということ」
憧はそう区切って口を閉ざし、憎悪に満ち熱病患者のようにぎらぎらとした目で私たちを睨む。
そう憧と玄さんは私よりも深い関係だった。
57:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 16:31:57.55 ID:5uQHH2Qt0
久「人のお腹に果物ナイフが刺さっていた。だから誰かが刺した。そう言いたいのね、新子さん」
憧は何も答えなかった。それは肯定と捉えてもよかった。
久「でもその因果関係が果たして正しいといえるのかしら?」
58:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 16:33:43.72 ID:5uQHH2Qt0
恭子「いや刺さったあとに仰向けになったとも考えられるやろ」
憧「床についていた血は、玄の身体の型だった。初めにうつ伏せの状態でナイフが刺されば、そうはならない」
恭子「そうか?すぐに仰向けになればそうなるかもしれんし、そもそもどうして血のつきかたで何もかも分かるんや。私たちは警察じゃないし、そういう経験、知識もない」
59:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 16:38:12.49 ID:5uQHH2Qt0
6
穏乃「もうやめよう!」
口論を止めたのは意外なことに穏乃だった。
60:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 16:40:29.86 ID:5uQHH2Qt0
久「私も煽るような言い方で悪かったわ。ただああ言ったのには理由があるの」
咲「なんですか?」
久「単純に状況を整理するとね、私と智葉は一緒の部屋に、憧と穏乃は同じく、ほかの人たちはみんな談話室にいた」
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