81:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 18:00:46.42 ID:5uQHH2Qt0
もうだめかもしれない。と、そのとき頭に咲さんの顔が浮かびました。
せめて最後に一回咲さんの顔が見たい。
厳格な家庭にはないあの――
82:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 18:04:14.52 ID:5uQHH2Qt0
咲「和ちゃん!」
と咲さんは目尻に涙をためて、私に飛び付く。
和「咲さん……苦しい」
83:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 18:07:54.81 ID:5uQHH2Qt0
和「それで戻らなくなってどれくらいなんですか?」
咲「えっと八分くらいかな」
八分、と聞いて私は動揺を隠せませんでした。
84:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 18:10:02.25 ID:5uQHH2Qt0
見るとそこには、智葉さんがいた。多少顔が蒼白かったけれど、智葉さんはニッと白い歯を見せ、なんともないことを示した。
ああ、生きてた!
私と咲さんは立ち上がり、智葉さんの側によった。
85:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 18:11:57.37 ID:5uQHH2Qt0
久「少し凍傷しているだけ。私と照は大丈夫よ」
弘世さんがぐったりとしていたので、私が症状を聞くと部長はそう返事した。
しかしそこには大星さんの姿がなかった。
86:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 19:02:51.80 ID:5uQHH2Qt0
9
私は再びソファーに座っていた。
談話室には今私と咲さん、愛宕さんと末原さんだけがいた。
87:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 19:04:41.07 ID:5uQHH2Qt0
恭子「……あまり気乗りせえへんけど、一応新子たちにも事情知らせなあかんなあ」
末原さんはそう言って腰を浮かしかけた。
だけど愛宕さんはそれを制した。
88:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 19:06:26.70 ID:5uQHH2Qt0
数分後、二階からはまず部長が降りてきた。
久「あはは、ずいぶん少なくなったわね」
珍しく弱音のようなことを言ったので、私は耳を疑って部長を見ました。部長は私に気付いて、弱々しく微笑を浮かべました。
89:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 19:10:44.07 ID:5uQHH2Qt0
久「さてととりあえず状況を整理しましょうか」
恭子「いや、それは主将が戻ってからでええやろ」
なるほど確かにそれはその通りでした。
90:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 19:12:48.94 ID:5uQHH2Qt0
穏乃「さっき何だか下が騒ぎになってたみたいで、少しこっちも事情があって遅れちゃったんですけど……すみませんでした。ところで一体何があったんですか?」
何だか穏乃の言うことには違和感を覚えた。
どうして何が起きたのか、大星さんのこととかを知らないんでしょう。
91:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 19:16:01.69 ID:5uQHH2Qt0
誰かが何かを言う前に末原さんはもう二階に駆け出していた。部長と智葉さんはそれに続いて……そして私たちは混乱しながらもついていった。
二階に上がると、まず見えたのは憧たちの部屋に入る末原さんたちの姿だった。
憧は何やらうしろで言っていたが、私は気にせずに追って入った。
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