過去ログ - 一ノ瀬志希「存在の耐えられない軽さ」【R-18】
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◆Freege5emM
[saga]
2015/08/03(月) 00:52:57.43 ID:xTHm2rgbo
●02-09
とあるハコでのおシゴト前。
あたしは、ステージ脇で自作のパフュームをこっそりと嗅いだ。
シューコちゃんに見つかったけど、
『これはあたしなりのジンクス、願掛けなんだよ♪』って押し通した。
非科学的な理屈こねちゃったから、怪しまれちゃったかな。
ステージに上った。
スポットライトは、太陽のように眩しく熱い。
あたし手作りの蝋の羽は、この熱に耐え切れず溶けちゃうかもしれない。
でも、もう逃げられない。
ここは空気より軽く、光より華々しい存在だけが舞える特別な空。
メロディが始まる。
これは、この輝かしく茫洋としたキミの声が届かない空間で、
あたしに指図してくれる唯一の声だ。
『たとえ 孤独が滲み始め 足が震えていても』
アイドルとしてステージに立ってしまえば、
キミはあたしのそばにはいられない。
このステージから降りた時、あたしはあたしのままで、キミの元に戻ってこれる?
『遠い日の約束 叶えなきゃ 掴まなきゃ 絶対』
出会ってすぐ、キミがあたしに言ってくれた。
志希のこと、絶対にトップアイドルにしてやる――って、約束してくれた。
トップアイドルの座は、今よりも、もっと太陽に近いのかな。
熱くて、眩しいのかな。
そこから泥沼まで一気に落ちたら、イカロスみたいに死んじゃうかな。
ステージのボルテージが上がる。
Cメロだ。メロディ――唯一の道標が、あたしを空高くまで衝き動かす。
光にあぶられた肌の下で、あたしのナカのクスリが溶けていく。
『シャボン玉 みたい夢が 膨らんで いろんな想いを乗せて 旅立つ』
あたしは、キミがあたしを受け止めてくれると信じてる。
信じてるから、ココからもっと高いトコまで、行っちゃうよ。
『どこまでも 遠くへと』
その代わり、キミにお願い。
どんなにふわふわと好き勝手舞っていても、戻ってこれるように、紐で縛り付けて。
そうしてくれたら、あたし、どんな高いステージにも羽ばたいていける。
体が弾けるほどイッちゃっても、戻ってこれるように、腕で苦しく痛いほど抱きしめて。
そうしてくれたら、あたし、キミの元にちゃんと帰れる。
頼んだよ、プロデューサー。
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