過去ログ - 涙目で熱い吐息を漏らす姉が弟に抱かれる話
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◆LRJytAPfz.
[saga]
2015/08/10(月) 21:46:55.94 ID:jEUBPymZO
それから僕らは診療所の表に備えられた古いベンチに座り、この旅の理由や経緯を話した。
女の子は「うん」「がんばったのにね」と相槌を返しながら慰めてくれた。
「婆ちゃん家、辿り着きたかったよ」
「歩いてならあと一時間半くらいかな」
「…ここまで車で連れてきてもらったから、もう反則なんだけどね」
結局全ての目論見は崩れた。
やっぱり僕ら姉弟は、まだ大人の庇護を受けなければ遠い地に着く事などできない。
僕と姉ちゃんが他人になる事は防ぎようが無い、それは最初から解っていた通りだった。
女の子と話す内、僕はやっとそれらに対して諦めがついたような気がした。
「ごめん、もう休むよ。やっぱり僕も疲れちゃった」
「うん、おやすみ」
立ち上がり、少しその高さを落とした月を見上げて、もう一度視線を戻すと女の子は診療所の玄関の前にいた。
そして彼女は最後に思いがけない一言を寄越したんだ。
「離れても家族だよ」
それは僕らが、婆ちゃんに言って欲しいと願った言葉だった。
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